不可解な采配。ボリビア戦に森保Jの収穫はあったのか?
逆に鎌田の武器を引き出すのならば、トップ下には香川よりもストライカー色が濃く、2トップ気味にプレーできる南野が適任だった。しかし、ボリビア戦における2列目は左から乾貴士(デポルティーボ・アラベス)、香川、宇佐美貴史(フォルトゥナ・デュッセルドルフ)が組んだ。 初体験となる1トップを半ばぶっつけ本番で担い、後半38分に鈴木武蔵との交代でベンチに下がった鎌田が放ったシュートは1本。コロンビア戦の武蔵とともに、大迫と同じ役割を期待し、硬直化しているように映った指揮官の采配のなかで、それでも試合後には努めて前を向いた。 「どれだけできるかがわからなかったし、最初は探り探りの状態だったので難しい部分もありました。でも、徐々にボールに触れるようになって、いい受け方を見つけられたし、上手く収めることもできていた。今日だけですごく成長したかなと思います」 前日会見で森保監督が明言したように、ボリビア戦では先発メンバー全員が入れ替わった。招集したフィールドプレーヤー全員をピッチに立たせたいと望む、指揮官の心情は察することができる。ただ、コロンビア戦を含めた先発陣の顔ぶれには首を傾げざるを得ない。 今回の招集メンバーで言えばコロンビア戦が主力組、ボリビア戦が控え組となる。ただ、コロンビア戦で2列目を組んだ中島、南野、堂安は昨年9月に船出したときからトリオを組み、乾をして「日本代表の武器」と言わしめるほどのハーモニーを奏でている。 チーム全体の底上げを図るのならば慣れ親しんだ3人を組ませるよりも、昨夏のワールドカップ・ロシア大会以来の代表復帰を果たした香川を試すべきだった。たとえば[中島・香川・堂安]や「中島・香川・乾」の組み合わせでは、どのような化学反応が起こったのか。結局、新旧の「10番」として注目された中島と香川が共演したのは、2試合で計32分間だった。これでは何もわからない。