猫の親子の救助願うSOS~愛知県・伊良湖の観光地から
動物福祉団体「ハーツ」に匿名の手紙
愛知県の東部を中心に、地域猫活動とその普及啓発活動をしている動物福祉団体「命にやさしいまちづくり ハーツ」の同県豊橋市内の連絡先に5月19日、1通の手紙が届いた。渥美半島にある同県田原市の観光地で見かけた飼い主のいない猫を助けてほしいというSOSだった。 代表の古橋幸子さんによると、手紙は匿名で観光客らしい。ありあわせの粘着メモのような紙2枚に、走り書きがあった。手紙の主は田原市伊良湖の観光客が立ち寄る場所におり「やせた親猫と子ねこ5~6匹いました。しらすをあげるとむさぼり食べていました。ネットで保護団体を調べました。助けてください」という内容。5000円札が同封されていた。
まずは子猫6匹を保護
古橋さんが5月27日に仲間と一緒に現場に行った。生後2カ月ぐらいの子猫6匹と、親とみられる雄2匹、雌2匹がいた。子猫は雑然と荷物が置かれた狭い場所に潜り込んでいた。 その場所を管理する会社の責任者は不在。帰ろうとしたが、子猫は風邪で涙目になっており、痩せて具合が悪そうな様子だった。折しも荒天が予報されていた。「次の週末まで待っていたら、この猫たちはもっと体調が悪くなってしまう」と判断し、子猫だけを連れて帰ることにした。1匹は逃げてしまったので、とりあえず捕まった5匹を連れて豊橋市に戻った。もう1匹は現場で餌を与えている人が捕まえてくれた。
新しい飼い主を募集、中学生も協力
親猫4匹はまだ残っている。古橋さんは、次の繁殖期までに捕獲して不妊去勢手術することを考えている。田原市は今年度から猫の手術費の助成を始めた。この制度を利用したいという。 一方の子猫は間もなく退院できそうだ。「Aichi穂の国ライオンズクラブ」が2匹の預かりを申し出てくれた。地域猫活動を学んでいる田原市立田原中学のボランティアクラブ「たはランティア」の力を借りて、子猫の飼い主募集のチラシ作りを進め、学校での猫の譲渡会の可否を協議するという。古橋さんは「新しい飼い主を見つけてやりたい」と話している。【山田一晶】
東愛知新聞社