難産の子もすくすく 三和の手作り牧場で羊の赤ちゃんたちが追いかけっこ
京都府福知山市三和町梅原の小さな手作り牧場・みわファームで、羊たちが出産期を迎えている。3月後半から4匹の赤ちゃんが続々と誕生。このうちオスの「もろこし」は難産で、産後に命の危険もあったが、無事に回復。現在は、ほかの子羊たちと追いかけっこするほど元気になり、すくすくと成長している。 旭敏之さん(64)と弘子さん(62)夫婦が運営するみわファームには、オス11匹とメス16匹の羊たちが、のんびりと暮らす。今季にメスのネーブルとモカ、ダイダイ、オスのもろこしが誕生し、計31匹になった。
3匹は安産だったものの、3月30日の夜中に生まれたもろこしは、母のキビが初産で体も小さく、旭さん夫婦は心配していたといい、その予感が的中してしまった。弘子さんが立ち会っていたが、頭から先がなかなか出てこない。脳裏に浮かんだのは、2年前、同じ状況になって出産に時間がかかり、死産となった子羊のこと。「今度は何としても救おう」と、キビの息に合わせて少しずつ引っ張り、外に出すことに成功した。 しかし、母子ともにぐったりして、横たわったまま動かない。「キビ死ぬなー」と必死に声をかけながら、赤ちゃんを拭く。生存を願って2匹の体を強く動かし続けると、ようやく頭を振ってくれ、なんとか命の危機を脱することができた。 旭さん夫婦は「難産だったもろこしを含め、みんな元気に育ってくれて、本当によかったです。仲良く追いかけっこして遊んでいる姿は、癒やされますね。さらにあと2匹、出産を控えているので、無事に産んでほしい」と願っている。 みわファームには、ボーダーコリー(牧羊犬)6匹、ヤギ2匹、コールダック13羽、ニワトリ1羽も暮らす。入場は牧場維持協力金として500円(ドリンク付き)が必要。問い合わせは弘子さんの携帯電話090・9542・9890へ。