元「子役」「ギャルモデル」の今。父が借金4000万円を抱え…大学を中退して“選んだ道”
資金援助はナシ「1年目の売上はゼロだった」
しかし蓋を開けてみたら、「1年目の売上はゼロだった」という。 「初年度の売り上げはゼロなので、3人で貯金を切り崩して、シェアラウンジのお菓子を食べていました。私は食べることがすごく好きなので、お腹が空いても食べられないことはすごくつらかったですね。そんな中でも髪は明るく、爪も長く、ギャルとしてのアイデンティティは失わずにいました(笑)」 芸能界にいた頃のつながりで、資金を援助してもらうことは考えなかったのだろうか。 「実は、周りに何も言わずに起業したんです。22歳から結婚をしていましたが、夫にも会社を始めてから2年くらいは黙っていました。売り上げが立たず、会社として成り立っていないことがバレて『それだったらやめたら?』と言われるのが嫌だったんです。結果を出してから伝えようと思っていたので、夫にもお金を頼らずにやっていました。やっとの思いで黒字を出したら、また別の壁にぶち当たったんです」
「女の子だもんね」に負けず、元子役・ギャルモデルは勝ちにいく
しかしながら、どこか“色眼鏡”で見られることもあったという。 「会社がうまくいきだすと、女性経営者ならではの偏見が待っていました。『見た目を利用して仕事をもらってるんじゃないか?』『仕事がもらいやすくていいよね』などと言われたことがあります。 男同士ならすぐにビジネスの話になるシーンでも、プライベートの話にそらされてしまうことも。あとは『女の子だもんね』と言われる時もあり、ビジネスパーソンとして見てほしいのに……と、歯がゆくなることもありますね」 悔しい思いをしながらも挑戦をやめないのは、子役時代の経験があるからだという。 「あの頃、日本舞踊やダンスなどの新しいことに挑み続けたお陰で、挑戦にビビらないようになりました。“挑戦してよかった!”という成功体験も大きいですね」 女性経営者として活躍する西さんだが、母としての顔もある。 「3年かけた不妊治療の末に、やっと子どもができたんです。将来は子どもが誇れる母親になるために、会社を大きくして、世の中に貢献していきたいですね。今の目標は上場です。子役時代の“勝った者が正義”を合言葉に、勝たなきゃいけない場面では、ちゃんと勝ちにいくつもりです」 ――ポジティブなオーラを全開にして、取材に応じてくれた西さん。彼女の口からは愚痴や妬みが一度もなかった。まさに世間のイメージするハッピーな“ギャル”そのものだ。 「どうしてギャルはいつも明るいんですか?」という筆者の質問に対して、彼女はこう教えてくれた。 「なりたい姿になっているから、ですかね。派手にしたい、表現したいという願いを押さえつけられていないので。やりたいことをやってるし、自己実現ができているんです。だから他人をうらやましがったり妬んだりもしません」 暗くなりがちな日本を明るくする秘訣は、ギャルのマインドにあるのかもしれない。 幼少期の子役やギャルモデルとしての経験を糧に、大人になった西さんは、ビジネスの世界でさらなる成功を目指すのだった。 <取材・文/綾部まと、撮影/長谷英史、編集/藤井厚年> ―[西真央]― 【綾部まと】 ライター、作家。主に金融や恋愛について執筆。メガバンク法人営業・経済メディアで働いた経験から、金融女子の観点で記事を寄稿。趣味はサウナ。X(旧Twitter):@yel_ranunculus、note:@happymother
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