“子持ち様”vs“子持ちでない様” 専門家が提案する対立を解く心理は
■“子持ち様”が周囲から恨みを買わない3つのコツ
藤井氏は“子持ち様”が周りの人たちから恨みを買わない為に、できることが3つあると言う。 1:仕事人である自分を見つめ直す 「環境が変わった時こそ人の価値が炙り出される。仕事時間が短くなった中で、自分が職場に貢献するためにどう変わるべきかをきちんと考え、見直し、行動に移すことが必要だ」 時短勤務でやりきれない仕事を抱えていないだろうか。独身時代と全く同じことができると自分を過信してはいけないし、周りの状況をもっと見なければならない。面倒な仕事を率先してやるのも良いだろう。子を持つ人が問題ないのではない。子を持つ人で、配慮のピントがズレている人が問題なのだ。 2:周りの人に意見を求める 「まずは周りの人の意見を知ること。そして、(周りの人の意見を)自分の仕事の仕方に少しでも反映すると、アドバイスした側から見れば自分の考えを取り入れてくれたことになるため、何かあっても文句をつけづらくなるし、不満を抱かれにくくなる」 3:周りの人に共感を求めない 「『共感を求める』=『自分と同じ温度を持ってもらって分かってもらおうとすること』であり、相手の感情をコントロールしようとする行為であるため、不快感につながりやすい。単なる職場の雑談のつもりでも、私的なことには気持ちが乗ってしまう。気づかぬうちに感情や幸せ感の押し付けにならぬよう、共感を求めるなら家族や友人に」 「子育て大変なの…」。そんな愚痴や空気感は職場や同僚、仕事には関係ないことだ。
■“子持ちでない様”が不満をため込まない3つのコツ
藤井氏によると、一方の“子持ちでない様”が、不満をため込まないための方法も3つあるという。 1:“子持ち様”のことを理解しようとがんばらない 「『協力してあげたいけど、でも自分も苦しいし、態度に違和感がある…。そんな風に思ってしまう自分は冷たいのか…』と考えれば考えるほど葛藤とストレスに繋がる。そのため『この人はなんでこんなことをするんだろう』『どうしてこちらの気持ちを分かってくれないんだろう』などと思い始めると答えが出ないため、いっそ理解することを諦めた方がいい」 人の感情は個人差が大きく、殊に職場の関係レベルで本質を理解することは極めて困難。自身と状況が異なる“子持ち様”のことをあれこれと考えるのはやめるべき。“自分とは別の存在”として無理に理解しなくてもいいのだ。モヤッとしたら甘いものでも食べて落ち着きたい。 2:優しくも冷たくもしない 「日々忙しい中で無理して優しくしてしまうと、結局は自分の中での不満と実際の行動のギャップに苦しむことになりかねず、またその優しさを維持することも現実的には困難だろう」 冷たくすると対立してしまうが、一方で「そうしなきゃいけない」空気に流されて優しさを継続すると、かえって自分を追い詰めることになりかねない。一定の距離感を保った一貫した対応が、結局はお互いのためになる。 3:ニコニコしていよう 「簡単そうに見えて、これが意外と出来ていない。不満などが顔に出てしまっていると言葉に出さなくても周りに伝わってしまう。人間関係は相互作用でもあるため、一人が不機嫌な顔をしていると職場の空気が悪くなり、結果として自分にストレスが返ってきてしまうし、自分自身に対する周囲の評価を低めてしまうことになりかねない。人と人との溝は確実に存在しているし、埋まることはない。であるならば、その溝が仕事に影響を及ぼさないよう、まずは自分の半径1メートルの空気感を良い状態に保ちたい」