ECB利下げの継続は明確、インフレ減速なら-リトアニア中銀総裁
(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバー、シムカス・リトアニア中銀総裁は、インフレの減速傾向が続けば追加利下げを行うとの見方を示した上で、次回会合の結果については予測できないと述べた。
シムカス氏は21日、ビリニュスで記者団に対し、「方向性は明確だ。つまり景気抑制的な金融政策の緩和だ」と述べ、「12月の決定についてはまだ分からない。ただ方向性は引き下げで間違いない」と続けた。
投資家も同じ見方だ。ユーロ圏のインフレ率は目標の2%を下回り、経済もほぼ成長していないことから、ECBは今後数回の会合で利下げを続けることが見込まれている。事情に詳しい関係者は12月利下げの可能性は極めて高いと語った。
同氏は「12月には域内総生産(GDP)やインフレ率、購買担当者指数(PMI)、新たな予測など、さらに多くのデータを入手している」として、「インフレトレンドのペースについて、あらゆるデータがそろうだろう」と指摘した。
また、ECB政策委員会メンバーのカザークス・ラトビア中銀総裁はインフレ率が2%へと低下するのに伴い、利下げが続くだろうと述べたが、米国での選挙やウクライナ、中東での紛争など不確実性の高まりの中で、ECBは引き続き段階的に決定していくと続けた。
同氏はまたインフレについても言及。ブログへの投稿で、「インフレ率が従来予測よりも低かったなら、今後数カ月間も同様に予測を十分下回って推移するのかを確認することが重要だろう」と指摘。「もしそうであるのなら、恐らく、来年末よりも早期に持続的な形で2%のインフレ目標を達成する」との見方を示した。
原題:ECB’s Simkus Says It’s Clear That Rates Will Be Lowered Further
(抜粋)
--取材協力:Aaron Eglitis.
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Milda Seputyte, Alexander Weber