始まりは800万人が閲覧したレシピ…「私が一番びっくりしている」バズった保育士がフォロワー31万人の料理系インフルエンサーになるまで
長野県の保育士、2冊目のレシピ本出版
長野県の南信地方在住の美紗さん(31)=活動名=は、保育士として働きながら、写真共有アプリ「インスタグラム」で、お菓子や料理のレシピを発信している。趣味として約2年前に投稿し始めると、レシピに注目が集まって「バズり」、フォロワー(読者)は11月末時点で31万人以上に。2日には2冊目のレシピ本が発売された。多くの人に支持される現状に「自分が一番びっくりしている」としながらも、「おいしい」と言ってもらえることにやりがいを感じている。 【写真】美紗さんの2冊目のレシピ本
コンセプトは「スーパーの食材で簡単にお店の味を再現」
新刊のタイトルは「気楽に作れて、これ以上おいしいレシピを私は知らない。」(KADOKAWA)。一貫して「スーパーで買える食材で簡単に作れるお店の味」をテーマに発信しており、作る工程や使う調理器具も少なくするよう心がけている。材料を混ぜるときはミキサーを使ったり、バターは電子レンジで溶かしたり。お菓子作りの基本からは外れるものの、簡単にできる手法を紹介している。
「簡単だけど見た目良くできる」フォロワーに好評
「工程の省き方にはこつがある。『ご法度』とされるレシピでもおいしくできるよう工夫した」。料理上手な母の影響もあり、メニュー開発には余念がない。試作を30回以上重ね、異なるメーカーのオーブン5台を使って焼き上がりを比べることもある。フォロワーから「工程が簡単で子どもと作れる」「簡単だけど見た目良くできて褒めてもらえる」と好評だ。
きっかけはインスタへの料理写真の掲載
インスタグラム(@misa_ihouse)での発信は4年前にさかのぼる。当初は自宅の内装やインテリアのこだわりを紹介していた。夫らに振る舞った料理の写真を掲載したところ、「レシピを教えてほしい」とのコメントが多く寄せられ、料理アカウントに移行した。
800万人閲覧、バズったレシピ
2022年6月、移行して間もなく載せた紅茶の茶葉を生クリームに混ぜた「アールグレイクリーム」のレシピが注目され、約800万人が閲覧。フォロワーは一気に約7万人増えた。出版社から書籍化の声がかかり、23年3月に1冊目のレシピ本を出した。保育士としてフルタイムで働きながら作った。 1冊目は評判が良く、2冊目も同年5月から取りかかった。保育士の仕事は週3日に減らした。今回は料理やつまみなどお菓子以外も充実させ、全74品を掲載した。
「役に立てることがうれしい」
活動のために購入したのは一眼レフカメラと三脚だけ。撮影は全て自宅で行い、動画や写真はスマートフォンのアプリで編集する。「すごく楽しい。自分の考えたレシピで役に立てることがうれしい」と充実した様子の美紗さん。今後は「保育士を続けながら、料理家として幅を広げたい」と話した。