きみとバンド・清原梨央&大野真依、個人活動で躍進も初心を忘れず「すべてはバンドのために」
ガールズバンド・きみとバンドのメンバーとして活動する清原梨央、大野真依が、大森研一監督の手掛ける映画「ゴーストスポッターズ ~夢湯~」でダブル主演を務める。8月31日(土)にイベント上映が決定している本作は、YouTuberの男女4人で訪れた廃墟のホテルで起きる異変が恐怖を誘うオカルトホラー。出身地でもある愛媛県で行われた撮影を終えた清原、大野に、本作の見どころや、結成から4年になるバンド活動への思いなどを聞いた。 【写真】“日本一美しいドラマー”として雑誌のグラビアでも活躍中の大野真依…など全25枚 ■大野真依、ホラー作品出演に「はすごく楽しかった」 ――今作に出演した感想から聞かせてください。 大野:普段はバンド活動で全国に行っているので、スケジュールがタイトな中でせりふを覚えるのが大変でした。そういう時に隣に一緒に頑張ってくれるメンバーがいるというのはすごく心強かったです。今回はホラー要素のある作品だったんですが、私自身がホラー好きということもあって、撮影はすごく楽しかったです。 ――ホラーと言ってもいろいろありますが、今作は好きなジャンルでしたか? 大野:今回の作品は怖すぎず、オカルト的なホラー要素がある感じでした。私が一番好きなのはスプラッター的なホラーなんですけど(笑)、オカルトホラーも好きなジャンルではあるので、その裏側が見られるのはすごく楽しかったです。 ――清原さんはいかがでしたか? 清原:私は、ホラーってちょっと見たいけど怖いので、真依ちゃんは隣でルンルンしていたんですけど、私は撮影現場に行くのもドキドキでした。実際の廃墟なので、本当に雰囲気もリアルで。でも、作品の中のホラー要素は怖がりの人が見られないというほどのものではないので、ホラーが苦手な方にも楽しんでもらえる内容だと思います。 大野:劇中の私たちはYouTuberの設定なので、手持ちカメラでの撮影があったりして、ドキュメンタリー風に楽しめるところもあると思います。最後の展開は登場人物と一緒にのめり込むように見られるんじゃないかなと思います。 ■清原梨央、ビビりなのに…「トイレの花子さんをやった」 ――実際の廃虚での撮影で、ハプニングなどはありませんでしたか? 大野:廃墟の、ずっと使われていない地下に行ったりしたので、みんな咳き込んだり鼻がやられたりしていました。 清原:廃墟の空気なのか、叫んだりしたからなのかは分からないんですけど、それもリアルで、実際に限界状態という感じでした。 大野:本当に体を張った感じの撮影でしたね(笑)。 ――これまでの人生で一番怖かった体験を教えてください。 清原:私はビビりなのに、小学校低学年のころに学校のトイレで「トイレの花子さん」をやったことがあるんです。女の子何人かで、高学年が使っている3階のトイレまで行って、3回ノックして「花子さん、遊びましょう」って言ったんですけど、本当に出てきたら怖いので、すぐ入口に戻ったんです。そしたらドンって音がして。3回くらい試したら3回とも音がしたので「あれはなんだったんだろう…?」と、今思うと怖いですよね。 大野:私は、実は霊的なものは信じていないんです。ホラーは好きなんですけどね。不思議体験ではないんですけど、小学生のころ、授業の中で割り箸の片方をカッターで縦に半分に切ることになったんです。そうしたら割り箸を切るはずがストンと指にカッターが当たってしまって、ヒヤッとしたことがあります。そこまで大きなけがにはならなかったので良かったです。 ■大野真依「『声が聞こえない』って有名だった(笑)」 ――演技やグラビアなど、バンド活動以外の活動をしていることで良かったと感じることはありますか? 大野:私はもともとモデルになりたいと思っていて、人前で話をすることはすごく苦手だったんです。けど、ライブ配信などで携帯を通して1人でしゃべるようになって、お芝居のお仕事でも人前で泣いたり、怒ったり笑ったりする演技をしていくうちに、少しずつ自分の殻を破れるようになったんです。それは、ライブでの表現やMCでのトークにもつながっているのかなと思います。 私はMCで「声が聞こえない」って有名だったんですけど(笑)、今はある程度普通に話せるようになったので、数年の間ですごく成長させていただいたなと感じます。 清原:前は車の中で話をしていても本当に聞こえないくらいだったんですよ。真依ちゃんは前方の座席に座っていて、私は後ろにいることが多いんですけど、仕事の話をしていても本当に何を言っているか聞こえなくて、頑張って張り上げてもらったりしていました(笑)。 ――清原さんは、芝居とバンドの活動でつながりを感じることはありますか? 清原:お芝居は、今回の映画の他にも舞台を2回経験させていただきました。舞台の一発勝負なところはライブと一緒だなと思っていて、私は舞台で精神が鍛えられたところがあるなと感じています。 やるしかないんだけど、なんか寝る時にも頭の中でせりふがぐるぐるして寝られなくなったりして、結構追い詰められていました。その分、乗り越えた後の達成感もすごくて。舞台を乗り越えてから、ライブで緊張することがあっても「あれをやり切ったんだから大丈夫」と思えるようになって、ステージ立つ上での自信をつけることができたと思います。 ■清原梨央「そろそろ何かを起こさなきゃ」 ――バンドとしては、8月から「4th anniversary ツアー」を開催中ですが、どんな4年間でしたか? 清原:ゆきたんが去年加わって、ボーカルの森田理紗子ちゃんも途中から加入しているので、私と真依ちゃんは初期メンバーですが、その度に新しい気持ちになります。「もう4年もたったんだな」と思うと、「そろそろ何かを起こさなきゃ」「売れなきゃ」という思いはすごくあります。 形は変わりつつも、もう初心者とは言えないところまで続いているので、バンドとしてより発展していけるように頑張りたいなと思っています。「みんなが楽しかったらオッケー」ではなく、「目標にしている日本武道館に行けなかったら意味がない」という思いで活動しているので、どれだけやっても足りない感じがしています。 大野:初期メンバーの3人でやっていた時は、いきなり47都道府県をデビュー半年で回って、その後にシェアハウスして、と苦楽を共にしていくスタイルでやっていたんです。それからメンバーが変わると、どうしても歩んできた歴史が違ってくるので、熱量が違うんじゃないかと感じたりしたこともあって、全員で話し合いながら泥臭くやってきました。 今は無理に合わせるのではなく、個人が各々でできる活動をやりながら、それをバンドにつなげていくというスタイルが、4年目にしてできたなと思っています。 清原:今は新しく入ってきてくれたメンバーも同じ熱量でいてくれていることがすごく伝わっています。 ――2人にとって「きみとバンド」とはどんな存在ですか? 清原:バンドがなかったら個人の活動もしていなかったと思います。やっぱり“きみとバンドのメンバー”という責任感がすごくあるので、少しでも貢献しなきゃいけないし、少しでも私きっかけで入ってきてくれたきみとバンドのファンを増やしたいという思いもあります。メンバーみんなに共通している「すべてはバンドのために」という言葉の通り、個人活動も全部が「バンドにつながってほしい」という思いです。 大野:もともとは個人で活動したかったメンバーが、やっぱりグループで活動した方がいいということからスタートしたのがきみとバンドなので、バンドを忘れるということは初心を忘れるということなんです。自分1人じゃ無理だからみんなで大きな夢を目指そう、と進んできた中で、私はグラビアに出会ったり、SNSなどを始めたりしてきました。初心を忘れて天狗になることなく、気持ちを持ち続けたいです。 ■ほどよくハラハラできるスリル感 ――最後に、読者へメッセージをお願いします。 清原:今回の映画で大森監督の作品は3度目になりますが、今までになかったジャンルの撮影だったので、新鮮な気持ちで参加させていただきました。ほどよくハラハラできるスリル感で、私みたいにホラーが怖い方でも楽しめる作品になっています。 ツアーは、今のメンバーで全国を回るのは初めてですが、このツアーが次の何かにつながるようにという気持ちを込めて回りたいと思っているので、ぜひ足を運んでいただけたらうれしいです! 大野:今回の作品は、ホラーが苦手な方でも楽しめるくらいライトなホラーですが、最後にはあっと驚くラストが待っているので、気軽に楽しんでいただきたいです。私たちは演技ももちろん、バンドも全力で取り組んでいるので、ライブに来てぜひその熱量を感じてください! ◆取材・文=山田健史