奈良市女児誘拐殺害事件から20年 記憶を語り継ぐ「いのちの集会」
奈良市の当時小学1年生の女子児童が下校途中に誘拐、殺害された事件から17日で20年です。女子児童が通っていた奈良市の富雄北小学校では命の大切さについて考える集会が開かれました。 全校児童の前に映し出された1人の女の子。20年前、この学校に通っていた有山楓さんです。2004年11月17日、当時小学1年生だった有山楓さんは、下校途中に誘拐され殺害されました。富雄北小学校では毎年この時期に命の大切さについて考える集会を開いていて、15日は約410人の全校児童が体育館に集まり黙とうを捧げました。鐘の音が楓さんが生きた7年間と同じ7回鳴り響きました。当時、富雄北小学校の教諭だった後藤誠司校長は何気ない言葉や行動が人を傷つけることもあるとし、優しい気持ちを持って生きてほしいと話しました。 奈良市立富雄北小学校 後藤誠司 校長 「あなたたちはお父さん、そしてお母さんにとってかけがえのない宝物です。大切ではない命は一つもありません。楓さん、あなたに教えてもらったように、今この瞬間を大切に生きていきます。あなたのことをみんな忘れません。」 続いて、児童の代表が楓さんを忘れず事件の記憶を受け継いでいく決意を述べました。 児童代表 「楓さん、あなたはみんなの心の中で生きています。みんなは、あなたが力強く生きていた7年間を忘れません。そしてその大切な思いを決して忘れることなく、未来へ語り継いでいくのは、わたしたちです。」 この事件をきっかけに地域では見守り活動が続いていて地域の人が子どもたちの安全を守り続けています。集会では、それぞれの学年の代表が、地域の人への感謝を伝え命の尊さを確かめ合う「富北子ども安全宣言」を行いました。事件から17日で20年を迎えます。今もなお、子どもが被害にあう事件が後を絶たない中、後藤校長は「加害者を生まないために人を信じ、自分を大切にできる子どもを育てていきたい」と話します。事件の教訓は子どもたちが安心して暮らせる社会に繋がるようこの先も子どもたちや地域の人に語り継がれていきます。