年間1500人以上の死者「昔の病気ではない」…結核に正しく対処を 島根県で集団感染確認36人
山陰中央テレビ
島根県は8日、出雲保健所管内で結核の集団感染が確認されたと発表しました。結核は「昔の病気」と思われがちですが、全国の患者数が2024年は前年を超える勢いで増えていて、注意が必要です。 島根県によると、2024年5月9日に出雲市の医療機関から市内の40代の女性が結核に感染し発病したと、出雲保健所に連絡がありました。その後、保健所が女性の接触者を検査したところ、新たに1人の患者と感染したものの発病していない34人の「感染者」が確認されたということです。いずれも県内在住の10代から60代の男女で、命に別状はなく、病状の悪化は見られないということです。 島根県内での結核の集団感染は、2018年4月以来です。 島根県薬事衛生課・宮本毅課長: 今でも年間1万人以上の新しい患者が発生し、1500人以上が亡くなっている日本の主要な感染症で、過去の病気ではありません。 「昔の病気」のイメージのある結核。全国的に見ると、過去10年で減少傾向にありますが、毎年約1万人以上が新たに発病していて、年間1500人以上が命を落としています。そもそも結核とはどういう病気なのでしょうか。 結核予防会 結核研究所対策支援部・太田正樹部長: 咳がだんだんひどくなっていくと。空咳よりは、痰を含む咳が多いと思います。 結核予防会結核研究所の太田部長によりますと、感染して発病した場合、症状としてせきやたん、微熱などが現れるといいます。一般的な風邪と症状が似ていますが、結核を疑うサインがあるといいます。 結核予防会 結核研究所対策支援部・太田正樹部長: 結核の場合、ずっと長く長く咳が続く。早めに医療機関にかかって診断をつけてもらうのが一番いい。発病してなくても感染が分かった場合は、薬を飲めばほとんどは発病しないで済む。 島根県によると、結核感染者の約8割は発病しないということから、適度な睡眠や栄養をしっかりとることで発病させないことが大事だということです。 もし発病しても抗菌薬による治療があります。数か月薬を飲み続ける必要がありますが、きちんと飲みきれば治せることも多いので、いずれにしても早期発見が重要になります。
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