土に返る器で廃油キャンドル エクセラン高の生徒が開発 長野県松本市
長野県松本市のエクセラン高校環境科学コース3年生3人が、探究の時間で環境にやさしいキャンドルを開発した。廃食用油のリサイクル事業に取り組む寿バイオ(塩尻市広丘吉田)から提供を受けたバイオディーゼル燃料(BDF)と、石粉粘土で完成させた。 小俣蓮さん(18)、大月達矢さん(18)、上島万葉さん(18)が取り組んだ。同校が近年参加する市のキャンドルイベントに向け、これまでガラス容器を使った廃油キャンドルを作っていたが、イベントの運営側から「容器の処理に困った」という声があり、先輩から引き継いだ"宿題"となっていた。 キャンドルの器は石粉粘土、木粉粘土、紙粘土、土などを土に埋めて経過観察。安価で最も土に返りやすく、火が燃え移りにくいものを選んだ。最低でも2~3時間は燃え続ける適切な火力も確保しようと、燃料やキャンドルの芯の素材・本数なども模索。当初は賞味期限が切れた食用油を使ったが、校内で出前授業を受けた縁で寿バイオの社員から助言を受け、BDFに切り替えた。 3人は器を手作業で成形しつつ、実験で風が吹いても消えにくい火力を今月上旬に探り当てた。小俣さんは「何回も失敗したが、想像通りのものがやっとできた」とほっとした表情で語った。ただ、改良の余地がある。上島さんは「器の素材を粘土しか試せなかったので、後輩がさらに成果を大きくしてくれたら」と願っていた。 キャンドルは27日午後5~8時、松本市立博物館前で開かれる催し「博物館のキャンドル・ナイト」で活用される。同日から来年1月末にかけて上田市のイベントでも使われる予定。大月さんは「たくさんの人に来てもらえたらうれしい」と話している。
市民タイムス