みどりの窓口廃止に「利用客軽視」 SNSで批判が起きる理由を専門家に聞いた
JR東日本はチケットレス化、モバイル化を推進するとして、「みどりの窓口」の閉鎖を各地で進めている。現在約220カ所ある窓口は、新幹線や特急の停車駅など利用が多い場所を除き、2025年までに140カ所ほどに縮小する計画。窓口を閉鎖した駅には、代替として「話せる指定席券売機」を設置している。JR東日本長野支社は「みどりの窓口とほぼ同等の機能」と説明。しかし、SNS上では窓口閉鎖に対して「利用客軽視」、「公共交通機関として終わってる」などと否定的な意見が投稿され続けている。有人窓口の廃止に不安や疑問を感じる人がこれほど多いのはなぜなのか。専門家に理由を分析してもらった。(中島瑞穗) 【画像】見たことある?「話せる」指定席券売機はこれだ
まずは「話せる指定席券売機」の性能について理解しておきたい。操作に不慣れな人はオペレーターを呼び出し、声による案内を受けながら操作できることが特徴だ。オペレーターは、利用者が操作する画面を遠隔で見ながら説明。学生割引や障害者割引、通勤や通学の定期券もオペレーターを呼び出せば購入できる。話せる指定席券売機とみどりの窓口の間には、切符を購入するという機能に大きな違いはないようだ。
しかし、SNSではみどりの窓口閉鎖に否定的な意見が多い。2024年3月には、みどりの窓口の対応に63人が待っていることが分かる写真と「周辺駅のみどりの窓口を全て潰した末路がこれ」というコメントがXに投稿され、3月18日までに約2万3千の「いいね」が付いた。この投稿には「公共交通なのに、公共性を蔑ろにしてる」といったコメントも寄せられた。
多くの人が券売機よりも有人窓口を使いたがっているようだ。交通経済・経営の民間シンクタンク「一般財団法人交通経済研究所」(東京)が以前行った調査では、券売機よりも有人窓口を使いたい理由として、以下の3点が挙がった。
・有人窓口は、係員が自分にとって必要なことや要望を聞き出し、必要な操作を全て行うために楽である。 ・自分1人で券売機を利用するときには知らなかった切符の利用条件やお得な情報などを教えてもらえる。 ・券売機の使い方が分からないと長時間占有してしまい、後ろに並んでいる人を待たせることになる。そのことにプレッシャーや恥ずかしさを感じる。