「想定していた年収よりも30万円も低かった」「固定残業代込みの職場は想像以上に劣悪」…求人票から読み取く、ブラック企業の「ヤバすぎる実態」
求人を出している労働環境は、求人票からも読み取ることができる。求人票を見れば、その会社がどのような労働環境の会社であるかが、分かってしまうのだ。特に近年は、一見ホワイト企業だと誤認してしまうような求人が多く存在し、それに騙されてしまう人も珍しくはない。 【マンガ】大阪では当たり前の「ビルの中を通る高速道路」に困惑のロシア人ドライバー そこで、今回は労働環境に闇を抱える会社がどんな条件で求人を出しているか、実例をもとに解説していこう。
なぜ求人票から労働環境に潜む闇が見えてくるのか
一見ホワイトな求人票から、なぜ労働環境に潜む闇が見えてくるのか、その理由は簡単で、求人票に嘘は書けないからである。嘘の記載をし、それが労働基準監督署等の目に触れれば指導が入る可能性がある。それどころか、職業安定法違反によって6ヵ月以下の懲役または、3ヵ月以下の罰則の対象にもなりうる。 その一方で、嘘ではないが求職者側に誤解を与えるような記載の求人が増えている。企業側からすれば、少しでも自社の求人が魅力的に見えるよう工夫しているのかもしれないが、求職者側からすればいい迷惑だ。 とはいえ、嘘は書けない以上、隠すのにも限界がある。つまるところ、求職者側がしっかり目を凝らせば、陰に潜む闇は見えてくるのである。では、そういった背景を前提にしつつ、求人票から闇を見抜けなかった4名の話を紹介していこう。
魅力的な手当に騙された上条さん
求人を見る際、最初に見るところといえば、賛否あるかもしれないがやはりまずは給与額だろう。誰しも毎月最低限の支出がある。その額は人によって異なるが、その額を下回らない賃金の求人を探すのが通常である。 多くの人は毎月いくらもらえるのか、基本給や手当の総額で見ているだろう。そのような見方をしていると、年収が想定より低いということになりかねない。上条さん(仮名、35歳・男性)もそうだった。 「月収が基本給と手当で総額35万円。そこに賞与が年2ヵ月分とのことだったので年収換算で490万円はもらえると思っていました」と上条さんは語る。 彼の想定する年収の内訳と額はこうだ。 基本給20万円+各種手当を合わせると35万円。それに賞与年2ヵ月分の70万円で合計490万円だ。しかし、実際の年収は460万円と想定より30万円も低かった。その理由は基本給にある。賞与は基本給をベースに計算されるため、年2ヵ月の賞与が35万円ではなく20万円を基準に計算されてしまい、年収が30万円も低くなったというわけだ。 上条さんは「転職歴が多いため我慢して働き続けますが、時期を見て転職したいです」と入社1年未満での転職を決意している。