NTT東、新Wi-Fi規格「11ah」を賃貸管理に活用--遠隔からトラブル対応
賃貸アパート、マンションなどを取り扱う不動産会社である武蔵コーポレーションとNTT東日本は11月5日、広域Wi-FiであるIEEE 802.11ahとカメラを活用した実証実験を開始すると発表した。不法駐車や倒木などのトラブル対応業務を遠隔から行う。 実証期間は2024年11月19日~2025年3月31日。武蔵コーポレーションが保有する賃貸管理物件にIEEE 802.11ahのアクセスポイントを設置し、駐車場と建物周辺に設置したカメラで建物を監視する。物件居住者や近隣住民からの問い合わせ時に現地の映像をカメラで確認。関係会社や自治体などに連絡し、遠隔による不動産管理業務への効果を実証する。 IEEE 802.11ahは、従来の LPWA(Low Power Wide Area)では、送受信データ容量が大きく活用できなかったカメラなどの機器を活用できることが特徴。既存の2.4GHz、5GHz帯を用いるWi-Fiに比べ、広域エリアでの利用も可能だ。 不動産管理でのトラブル対応業務は、これまで従業員が現地へ移動するために、場所によってはかなりの時間がかかっていた。画像や映像などによる現地の現況確認からトラブル対応までを遠隔で行うことで、従業員の移動時間の削減と対応時間低減による稼働負担軽減を目指す。 NTT東日本によると、不動産管理業務へのIEEE 802.11ahの活用は不動産業界初になる。実証実験の場所の提供、各種データ取得とデータ分析を武蔵コーポレーションが担い、通信回線・設備の提供、遠隔地でのモニタリング環境の構築、11ahを活用した実環境での技術実証をNTT東日本が担当する。 NTT東日本では、IEEE 802.11ahのアクセスポイント機能の提供のみならず、スマートホームの世界標準規格である「Matter」の実装など、不動産管理業務のDXを推進していくとのこと。今後は地域産業のDX推進に役立つ取り組みも進め、地域活性化、持続可能な社会の実現に貢献していくとしている。