OpenAIは3年以内に「マイクロソフトに買収される」、アナリストが予測
あるアナリストの予測によるとOpenAIは、今後の3年以内に資金調達が困難になり、マイクロソフトに身売りをせざるを得なくなるという。 CCSインサイトのアナリストは、人工知能(AI)への関心の低下がOpenAIやAnthropic(アンソロピック)のようなAI企業を、資金力のある投資家に頼らざるを得なくすると予測しており、マイクロソフトやアマゾンがこれらのAI企業にとって最も有力な買い手候補になる可能性があると主張している。 「AI分野においては、過熱し過ぎた期待が冷めることで、少し調整が入るだろうと我々は考えている」とCCSインサイトの主任アナリストを務めるベン・ウッドは述べている。 ウッドは、OpenAIが先日、1570億ドル(約23兆円)の評価額で66億ドル(約9670億円)を調達したことが、「現時点では資金集めに全く問題がないことを示している」と認めつつも、今後の数年で状況が変わる可能性があると考えている。「我々が話しているのは、まだ少し先の2027年のことだ」と彼は付け加えた。 一方、AIサービスの多くをOpenAIに頼っているマイクロソフトにとってOpenAIは、きわめて重要な存在だとウッドは指摘した。「マイクロソフトは、OpenAIを完全に傘下に収め、将来の事業展開を完全にコントロールすることが戦略的に重要だと考えるかもしれない」と彼は続けた。 昨年11月にOpenAIの内紛が勃発した際に、CEOのサム・アルトマンは、短期間ではあるがマイクロソフトに移籍し、マイクロソフトが同社を買収するという見方が浮上した。 その直後にアルトマンは、OpenAIに復帰し、その騒動は速やかに解決された。しかし、CCSインサイトによると、マイクロソフトのAI事業がOpenAIに大きく依存しているため、世間のAIへの投資熱が冷めれば、マイクロソフトは買収に踏み切る可能性があるという。 「AIサービスを維持するためには莫大な資金が必要であり、競争が激化している中で競争力を保つ必要がある。そのため、主要なステークホルダーがさらに積極的に関与することを促す可能性が高い」とウッドは述べている。 ■エヌビディアの危機 一方、AIブームの最大の恩恵を受けた企業の一つであるエヌビディアは、2023年の初頭以来、株価を約9倍にも伸ばしている。しかし、CCSインサイトは、エヌビディアの好調が終わりに近づいていると予測している。 ウッドは、エヌビディアの主要なAIサービスを支えるCUDAフレームワークが「現時点ではほぼ唯一の選択肢」であり、同社が依然としてチップの増産に追われていると指摘している。「しかし、今後はエヌビディアの地位は弱まり、競争環境も変わっていくはずだ」と彼は述べている。 ウッドは、CUDAに代わるオープンソースの代替品の登場やAI投資の減速がエヌビディアの現在の優位性を低下させる要因になると考えている。 彼は、メタのCEOであるマーク・ザッカーバーグの「AIのキャパシティを、必要になる前に構築するリスクを冒したい」という発言を引用した。「ただひたすら構築し続けていると、突然『おっと、もう十分なキャパシティを持っている』と思える瞬間がやって来る。それがエヌビディアにとって危険な瞬間になる」とウッドは予測している。
Barry Collins