『トークサバイバー!』大ヒットの佐久間宣行が語る千鳥のすごさ「能力はもちろんですが、一番は」
「僕の性格だから作れた作品」
──「トークサバイバー!」はドラマパートもトークパートもあって、それが全8話。お金も時間もかかっている番組だと思うのですが、どのような形で作られていくのでしょうか? まずシリーズ構成の8話までのプロットを僕が作ります。それから、3~4か月は僕と脚本家の2人で脚本を作っていきます。その後に、バラエティの作家陣に入ってもらい、トークテーマを決めます。いい感じのトークテーマが見えてきたら、さらにそれを脚本にフィードバックするというやり方です。 ──ドラマとトークで全く毛色が異なっていて、番組自体のフォーマットも特殊ですよね。制作的にも苦労は多かったんじゃないでしょうか。 シーズン1は僕しか最終的なゴールが見えてなかったから、各スタッフは「どういうことですか」という繰り返しでした。最初、ドラマチームは「コメディドラマを作ればいいのね」と思っていたようで、認識のズレがありました。なので、モニタリングしているノブくんのツッコミまで入れて編集した映像を見せて。「あっ、こういうことだったんですね」と理解してもらいました。 現場では、僕の感覚で「もうちょっとダサくしてください」とか、逆に「これはボケすぎているのでやめてください」とか逐一要望を伝えました。特に、シーズン1は最初なので作っているスタッフも難しかったと思います。 ──「トークサバイバー!」ではトークパートで俳優さんたちが笑いをこらえきれないシーンがいくつも使われています。個人的に好きな場面なのですが、あれも制作のこだわりを感じます。 それはシーズン1から意識して指示していました。最初カメラマンさんはトークをしている芸人さんばかり抜くから、「関係ないエキストラも抜いてくれ」とお願いしました。笑っちゃいけない設定の人も笑うのが面白いと思っていて、その人たちのリアクションが大事だから、少なくともカメラのひとつは狙ってくれというのは現場で言いました。 ──試行錯誤しながら出来上がり、シーズン1~3まですべて「今日のTV番組TOP10」で1位を獲得するなど配信からすぐに結果が出ました。成功するという確証はあったのでしょうか? 確証はなかったです。面白いものを作れたとは思っていたんですけど、視聴者がNetflixにバラエティを見に行くモチベーションがあるのかというのが気にかかっていて。お笑いが好きな人が見に来てくれるのかどうか……やってみるまではわかんなかったですね。 ──絶対的な自信があったというわけではなかったんですね。 僕は元々がネガティブなほうなんです。作品はポジティブに作るけど、頭の中のシミュレーションはネガティブで作ります。それを20~30代の頃からやっていたから、『トークサバイバー!』のような過酷な現場でも破綻せずに作れたのかなと思います。全8話あって「みんな飽きちゃうんじゃないか」というネガティブな思考があるから、色々手を入れていける。そういう意味で言うと、僕の性格だから作れた作品ですね。 【後編】佐久間宣行が語る「トークサバイバー!」撮影秘話「おぎやはぎは絶対コンビで出てほしかった」は下の関連記事からご覧ください。
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