「血圧が高いから」と薬を飲むと脳梗塞が50%も増えた! 元気な百寿者ほど血圧が高いという真実
いきいき活動中は血圧が自然と上がる
血圧は、コレステロールと同じように、動脈硬化を進める「ワルモノ」にされがちですが、血圧が上がること自体が悪いわけではありません。漢方ではその人の体質(=証)を見極め、活力を上げたほうがいい人には、血圧を上げる作用のある漢方薬が処方されます。 日常生活のさまざまな要因で血圧は変動します。ストレスや睡眠不足、痛み、寒さといったことでも高くなる一方、運動したり、人と会話したり、おいしいものを食べたりと、いきいきと活動したときにも血圧は上がっているのです。高齢になっても人と会話を楽しんだり、階段の上り下りができる生活、つまり血圧が上がる生活ができること自体、すばらしいと思いませんか。 実際、慶応義塾大学医学部が100~108歳の百寿者163人を対象に、身体的な自立度を調べたところ、最も自立度が高かったのは上の血圧が156~220のグループでした。認知症の程度も、血圧が高いほうが軽かったのです。 くり返しになりますが、高齢になれば血圧が高くなるのは自然なことです。薬を飲んでも、食事制限をしても、生きていれば血管が柔軟性を失っていくのは避けられません。動脈硬化のいちばんの促進因子は加齢だからです。その事実を受け入れて、全身、特に脳への血液が滞らないようにすることや、血圧が高くなっても血管が破れないようにしっかり栄養をとることのほうが、賢い年のとり方だと思います。キリンがあの血圧で脳卒中にならないのは、血管が丈夫だからなのです。 続きは<「減塩生活」は60歳で卒業しないとマズい。食塩が少ないほど寿命が縮まると心得よ>にて公開中。
和田 秀樹(精神科医)