近大の〝鉄人〟PR稲場巧が17日の天理大戦に闘志「良い背中を見せたい」 母校・近大付高も同日、大阪大会決勝
関西大学ラグビーAリーグの近大は15日、第6節の天理大戦(17日、神戸ユニバー記念競技場)の出場メンバーを発表した。ここまで3勝2敗の勝ち点16で4位。3大会ぶりの全国大学選手権出場がかかる勝負の残り2戦へ、1年秋からリーグ戦全試合出場を続ける先発PR稲場巧(4年)が闘志を燃やしている。 175センチ、110キロでスクラムの要となる稲場は近大付高3年時、大阪府第3地区予選準々決勝で全国優勝5度の常翔学園に5-80で大敗。スポーツ推薦の条件を満たさず、付属高からの一般推薦で近大経済学部に進学した。日中に授業がある一般入学組は平日は練習に出られないことも多く、入学直後は「このままでは試合に出られない」と後悔したこともあったという。 だが、上級生にけが人が相次ぎ、1年秋の開幕戦で先発に抜擢されると、レギュラーの座をがっちり確保。ここまで1年時の1試合だけリザーブで途中出場した以外は、すべて先発で全試合に出場してきた。 そこには授業やゼミのため、練習を休んだり、途中で抜けたりした後、誰もいないグラウンドや部室に戻り、個人練習に励んできた努力があった。卒業後はリーグワン1部のチームでプレーを続ける予定だ。 「A(1軍)の試合に出たいとは思っていましたが、出られるなんて思っていなかったですし、それこそリーグワンに行けるなんて考えもしなかった」という稲場には燃える材料がある。 右PRの稲場が対面で争う天理大の先発左PRは森仁之輔(3年)。さらに最終戦の関学大の左PR大塚壮二郎(2年)はともに花園出場経験を持ち、今夏のU20(20歳以下)日本代表にも選ばれた年下のエリートたちだ。「彼らもすごく努力をしていると思うが、僕の4年間はもっと重くて濃い自信がある。しっかり集大成をぶつけたい」と、たたき上げの意地を見せるつもりだ。 さらに母校の近大付が全国高校大会大阪府第3地区予選で決勝に進出。近大が天理大と戦う同じ17日に22大会ぶり3度目の花園出場をかけ、常翔学園に挑む。「後輩が頑張っているので、先輩も頑張らないといけない。良い背中を見せたい」と人のよさそうな顔を引き締めた。(月僧正弥) ■関西リーグの全国大学選手権出場権争い
出場枠は3。すでに4位の近大(勝ち点16)までに絞られている。開幕5連勝の京産大(同25)、天理大(同24)はそれぞれ第6節の関学大(同18)、近大戦に勝てば、2位以上が確定し、出場決定。この場合、残り1枠は最終節の関学大、近大の直接対決で決まる。