京都府綾部市出身、パラ陸上で活躍の三本木優也選手が児童と交流「夢を持ち頑張って」
パラ陸上で世界的に活躍する三本木優也選手(23)=京都府綾部市出身=が、南丹市日吉町の殿田小学校を訪れた。両腕に障害があり後方に動かせないが、独特のフォームで100メートルの日本記録やアジア記録を更新。「夢を持ち頑張って」と講演した後、児童に走り方を教え、50メートル走で疾走した。 三本木選手は生まれてくるときに両腕の神経を損傷。綾部小学校で陸上を始め、京都共栄学園高校(福知山市)や京都教育大学を経て、NTT東日本に所属。神戸市で5月にあった世界選手権にも出場した。 元担任が現在、殿田小学校で教えている縁で10月25日に訪問した。全校約80人に向けた講演で、腕が動きづらく、着替えや洗顔に苦労すると自己紹介。だが小学生時代から足が速く、一般児童の府大会で100メートル走が2位になったと話した。 中高校で練習を重ねたが、全国大会には届かず。競技を辞めようとした高校3年でパラ陸上に初挑戦すると、全国2位だった。日本一にあと一歩。「うれしさと悔しさがあった」と、陸上を続けた契機を振り返った。 大学では当初「障害があっても受け入れてもらえるか不安」で、一人で練習した。だがタイムが伸びず「仲間とやりたい」と陸上部へ。「勇気を振り絞って入ったが、心配はいらなかった」。 大学時代に上肢障害の階級「T45」で100メートル10秒90の日本記録を樹立した。「次はパラリンピックで世界一になりたい」と語り、目標に向けた努力の大切さを訴えた。 講演後、4~6年生に実技を教えた。「脚を速く、大きく動かして」と助言し、全員と50メートルを競走。腕を前だけに振るフォームで、児童を寄せ付けなかった。6年の女子児童(12)は「自分なりの走り方を見つけていてすごい」と圧倒されていた。