性犯罪公判、多数の職員動員 第三者傍聴防ぐ目的、横浜市教委
横浜地裁で審理された教員による複数の性犯罪事件の公判を巡り、横浜市教育委員会が多数の職員を動員し、第三者が傍聴できない事態が相次いでいたことが21日、市教委への取材で分かった。市教委は、いずれも被害者が子どもであることを理由に「不特定多数が傍聴すると被害児童が特定される恐れがある」と説明したが、公益性を考慮して対応を改める方針で21日午後に発表する。 横浜地裁では、注目事件を除いて裁判傍聴の多くが抽選方式ではなく先着順のため、大人数で早くから並べば、傍聴席を占めることができる。立ち見は認められておらず、席が埋まれば傍聴できない。4月下旬には、開廷1時間前に傍聴席数を超える行列ができたケースもあった。 横浜地裁では今春以降、小学校校長による強制わいせつ事件や、中学校教員の不同意性交事件など3件の一部期日で大勢が並んでいるのが確認された。2023年度中も同様の対応を取ったという。 市教委は共同通信の取材に「個別の事案については回答を控える」としつつ、多数の職員に傍聴を呼びかけた例があったと認めた。