なぜ日本人は「お金儲け」を嫌うのか…目の敵にされる「お金儲けをする人」の正体とは
重要なのはお金儲けの手段
ITの世界でも同じことがあります。優秀なプログラマー、エンジニアは世界にたくさんいます。なかには画期的なプログラムを生み出す人もいる。その画期的な発想の一つが、すでに古典ともいわれるマルウェアの原型の一つ「トロイの木馬」です。今も、世界中で数多くのウイルス、マルウェアがはびこっており、それを活用した詐欺が横行しています。 一方で、それらへの対策を行うさまざまなサービス、対抗プログラムを開発しているプログラマーもいます。そこで求められる才能、技術は、ほとんど同じだといいます。片や詐欺を行うため、片やそれを止めるため、同じ能力を使っているのです。 きっとお金が儲かること自体は悪いことではないのです。なぜなら、多くの日本人ビジネスパーソンが大好きな、松下幸之助も本田宗一郎も、お金を儲けたのです。日本人が嫌いなのは「ズルをしてお金儲けをする人」です。「悪いことをして、お金儲けをする人」です。「楽をしてお金儲けをする人」です。 そうはいっても、他人の目はそれほど気にしなくてもいいのです。それよりも、自分自身に対し、「それはズルをしていないか」「悪いことではないのか」という視点で問いかける習慣が必要なのです。 『「父は桃太郎というやつに殺されました」…童話から学ぶ「正義」が持つ意外な危うさとは』へ続く
山川 恭弘