阪神FA参戦も V奪回へ6年ぶり動く
阪神が6年ぶりにフリーエージェント(FA)補強に乗り出す可能性があることが5日、分かった。兵庫・西宮市内の球団施設で取材に応じた粟井一夫球団社長(60)が明かした。FA申請手続き期間が同日からスタート。国内FA権を今季取得した大山悠輔内野手(29)らの慰留に全力を尽くすと同時に、ぬかりなくV奪回の戦力を整える。 【写真】一緒にラーメンを食べる阪神・才木浩人と大竹耕太郎 いかなる状況にも対応できるように備えを怠らない。FA市場の扉が開いたこの日、粟井球団社長が補強戦略について注目すべき発言をした。 「いい選手が出てくれば、FA、外国人はセットで考えているので、補強ポイントの選手が出てくれば考えます」 阪神がFA権を行使した選手を獲得したのは2018年オフの西勇が最後。6年ぶりにFA補強の可能性が出てきた。 この日からFA有資格者の申請手続き期間が始まり、国内FA権を今季取得した大山、坂本、原口、糸原の去就に注目が集まる。粟井社長は「それぞれの選手の思いもある。(FA宣言)しはるんか、せえへんのかも含めて、そこは権利なんやから尊重しないと」と前置きした上で「やっぱり戦力としては期待している」と慰留に努める方針を強調した。 大山には4年総額16億円規模の大型条件で残留交渉を行っている。坂本、原口、糸原にも最大限の誠意を尽くす。だが熟考の末に、新天地を求める決断を下した場合には現有戦力のダウンは免れない。「関連して考えているわけではなくて(必要と思う)戦力が出てくれば、獲りにいこうという考え」としながらも「もし万が一、抜けるようなことがあったら、緊急度が高まることが事実」と続けた。 4選手、そしてこの日ポスティングシステムを利用して米大リーグへの挑戦を表明した青柳を含め、投手、捕手、野手それぞれ流出の可能性はある。打の強化ならDeNA・佐野だ。一塁も守れ、候補となり得る。2020年の首位打者で、今季も中軸として下克上での日本一に貢献。FA宣言した場合に備え、虎も情報収集を進める。 先発ではソフトバンクの右腕・石川が通算56勝と経験豊富で、金銭、人的とも補償なしで獲得できる年俸Cランクとみられる。救援投手では楽天・酒居らの動向を注視。捕手にはソフトバンク・甲斐、巨人・大城卓らが名を連ねている。