「わかりやすさが薄い」映画『ラストマイル』が大ヒットした、意外な理由
過去作の人気も再燃、相乗効果が巻き起こった
そんないまいち取っ付きづらい「物流倉庫のセンター長」の映画に、公開前から多大な注目が集まり、多くの観客を動員できた要因として、「シェアード・ユニバース」がありました。 石原さとみさん演じる法医解剖医が主人公の『アンナチュラル』。綾野剛さんと星野源さんのダブル主演で機動捜査隊の刑事が主人公の『MIU404』。この人気ドラマ2作品の主人公や仲間たちが『ラストマイル』にも登場するということで、両作のファンが公開前から沸き立っていたのです。 『ラストマイル』オリジナルキャラとその2作品のキャラが絡む姿が観られるだけでなく、『アンナチュラル』と『MIU404』のキャラが共演するシーンもあり、ファン垂涎のお祭り的な醍醐味がありました。 ちなみに、『アンナチュラル』と『MIU404』の人気が『ラストマイル』の起爆剤になったのは間違いありませんが、過去のヒットドラマが新作映画のダシに使われたというだけではなく、このドラマ2作品にも恩恵があったのも注目したいところ。 『ラストマイル』と同じ世界線の物語であるということで、動画配信サービスで『アンナチュラル』と『MIU404』の再生回数が急上昇したのです。言うまでもなく数年前のドラマがなんのきっかけもなく再注目されることはあまりないわけで、劇場で『ラストマイル』を観に行く前の予習、もしくは『ラストマイル』を観た後の復習としてドラマ2作品が視聴されたのでしょう。 つまり、『ラストマイル』が背中を押してもらっただけでなく、ドラマ側にもメリットがあり、相乗効果が巻き起こっていたということです。 後編【映画『ラストマイル』の大ヒットの理由は、『SPEC』『君の名は。』との意外な共通点にあった…!】では、『ラストマイル』と人気ドラマの共通点について解説していきます。
堺屋 大地(恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー)