「転職で給料が増えた」過去最高を更新。転職するならタイミングは今?
近年は、転職で給与(一般的な話し言葉としての分かりやすさを重視するために、以下「給料」とします)が殖えたという方が増加しているようです。そういった話を周囲からも聞き、転職を考えている方も少なくないでしょう。そこで、転職でどれくらい給料が殖えているのか、そして今は転職に適しているタイミングなのか、考えていきます。 ▼勤続20年でも年収は「280万円」貯蓄も「30万円」しかないのは少なすぎ!? 転職したほうが良いの?
前職と比較して、賃金が1割以上上がった人の割合が過去最高に
株式会社リクルートの調査によれば、2023年7月期から9月期において「前職と比べ賃金が1割以上増加した転職決定者数の割合」は、過去最高の35.3%となったようです。 賃金の増加が1割以上というと、年収400万円の方であれば、転職によって440万円以上に収入が殖えるということになります。そう考えるとデータ上は、転職によって収入を殖やすことが相当程度期待でき、転職に適している時期だといえます。 あくまでも7月期から9月期のデータではありますが、2010年以降は、2012年と2020年を除き、転職によって1割以上賃金が上昇した人の割合が上昇傾向にあります。その点を考えると、今転職を考えていて、賃金を1割といわず少しでも上げたいと思うのであれば、転職には適している時期だといえそうです。
転職によって後悔することもある
全体的に賃金は上昇傾向とはいえ、必ずしも自分も転職したら賃金が上がるとは限りません。あくまでも、35%程度の方のみにおいて、賃金が1割上がっているにすぎません。残りの65%程度については、賃金がほぼ横ばい、または下がっていることになります。そのため統計的に見ると、賃金が横ばいまたは下がる可能性の方が高いのです。それを踏まえて転職を検討する必要があります。 また、転職をして賃金が上がっても、就業環境が変わってしまうと、転職を後悔する可能性もあります。例えば、残業時間があります。毎月の収入が4万円上がって、月収40万円から44万円になったとしましょう。しかし同時に残業時間が20時間増えてしまったとき、人によっては給料が大きく殖えたと実感できず、残業が増えただけで割に合わない、と感じてしまうかもしれません。 場合によっては、人間関係が変わったために、収入が殖えても働きづらいと感じることもあるでしょう。