夫婦あわせて「年収1000万円」は高所得世帯? 夫の稼ぎで年収1000万円の家庭とどっちがお得? メリットについても解説
「高所得世帯」という言葉を耳にすることがありますが、この表現には年収に関する具体的な基準がないため、高所得がどのくらいの年収を指すのかは一概にいえません。また、家庭ごとに夫婦の働き方も異なり、夫婦のどちらか一方が働いていることもあれば、共働きの世帯も現在では一般的になっています。 本記事では、高所得とされる世帯年収の基準や、世帯収入が同じであっても夫婦が共働きする場合と、夫または妻のいずれかのみが働く場合ではどちらが有利なのかを探っていきます。
年収の上位10%は世帯年収なら1250万円以上、個人なら800万円以上
高所得世帯に厳密な基準はないと紹介しましたが、仮に国内上位10%を「高所得」とした場合、世帯年収では1250万円以上、個人のみを対象とした場合では800万円以上の年収が該当します。 図表1は総務省統計局の2022年家計調査(貯蓄・負債編)に基づくもので、2人以上の勤労者世帯において、最も割合が多かった世帯年収は1000~1250万円の11.6%でした。次いで800~900万円が10.0%を占めています。 世帯年収が上昇するほど配偶者の女性も働く割合が増える傾向にありますが、年収が800万円を超えるあたりから頭打ちとなります。この年収レベルに達すると夫婦で共働きしなくてもじゅうぶんな生計が立てられると考える人が多くなるのかもしれません。 図表1
総務省統計局 2022年家計調査(貯蓄・負債編)より筆者作成 個人の給与は国税庁の「民間給与実態統計調査」で確認できます。令和4年分の調査では、男女を含む全体としてのボリュームゾーンは300~400万円の16.5%で、これが頂点となりピラミッド型に広がっています。 男性の平均年収はこれよりも高く、300~600万円の範囲内で約50%を占めています。一方で、女性の場合は100~400万円で約60%です。この年収帯の人が夫婦で働いている場合、世帯年収で割合の多い800~900万円程度に該当するのかもしれません。