【閣議決定】「103万円の壁」引き上げ「働き控え」の人は期待 上限178万円なら福岡市400億円・北九州市200億円の減収か
「103万円」以外にも、勤務先の規模にもよりますが、106万円を超えると社会保険への加入が義務づけられ、保険料を支払う必要があります。また、130万円以上になると、すべての人が社会保険料を払うことになります。 国民民主党は、178万円までの引き上げを主張していますが。 ■元木寛人アナウンサー 「街の人は、年収の壁をどれくらい引き上げることを望んでいるのでしょうか。」 ■街の人 「178万円。 今、抑えて働いているので、ここまで上がってくれたらうれしい。」 「178万円。これまでずっと固定されてきたと思うのですが、物価の上昇などに合わせて(壁も)上がっていくべき。」 「178万円。手取りが増えると消費が増える。結果的に日本経済にとってプラスになる。」
福岡市・天神で50人に聞いたところ、現状の103万円と答えた人は1人もおらず、106万円が1人、130万円が27人、178万円が22人でした。一方、こんな意見もありました。 ■街の人 「130万円。税金は税金で必要だと思うので、そこが減ってしまうのはいろいろ問題があるかな。」 働き控えがなくなり、人手不足解消にもつながると期待される「103万円の壁」の引き上げ。しかし、大幅な実現には、さまざまな「壁」が立ちはだかりそうです。
引き上げの議論が進む中、大きな課題とされているのが、国や地方の税収の大幅な減少です。 具体的な引き上げ幅が決まるのはこれからですが、仮に国民民主党が主張する「178万円」まで引き上げが実現した場合、国と地方の税収があわせて7兆6000億円減ると政府は試算しています。 その場合、福岡市はおよそ400億円、北九州市はおよそ200億円の減収と見込んでいます。 北九州市の武内市長は「いま働き控えをしている人にとっては一つのよいきっかけになるが、行政サービスに影響が出ることは懸念がある。財源の影響に配慮しての議論を国にお願いしたい」とコメントしています。