【ローズS回顧】トライアルらしい流れでクイーンズウォーク、レガレイラに明暗 両頭、次走は仕上げがカギに
ローズS4勝目の川田将雅騎手×中内田充正厩舎
オークス最先着馬クイーンズウォークが重賞2勝目をあげた。例年ほどオークス上位馬がそろわないなか格の違いをみせつけた。 【ローズステークス2024 推奨馬】先行力生きる舞台、条件次第で勝率75%データ該当で確勝級! SPAIA編集部の推奨馬を紹介(SPAIA) 川田将雅騎手と中内田充正厩舎は中京ローズS3勝目。ローズS通算4勝と凄まじい。4頭はすべて前走オークス。20年リアアメリアこそ馬体重+14kgだったが、クイーンズウォークを含め残る3頭はオークスから増えても2kg以内。夏休みを挟み9月に結果を残すノウハウがある。 一方で3頭の次走秋華賞は8、13、5着。休み明けの仕上げが次走に与える影響も同時に考えなくてはいけなくなった。クイーンズウォークも同じ轍を踏まないといい。それも陣営が過去を踏まえるだろう。ひとまず今、私が心配しても意味がない。 レースを主導したのはセキトバイースト。レディーヴァリューが1コーナーでマイペースを決め込むところを外からハナをかっさらった。 この動きから、後ろを離し気味に進むセキトバイーストをみて急流を想像しそうなものだが、実際は前後半1000m60.3-59.6とスローペースに近かった。 飛ばすセキトバイーストをみんな追いかけず、いわゆるスローペースのタテ長。前が残る絶好の状況をつくった。藤岡佑介騎手のファインプレーといっていい。 それにしてもなぜ、こうもセキトバイーストを追いかけなかったのか。ひもとけば、春はチューリップ賞で逃げて9番人気2着の実績があった。本来はノーマークにしてはいけない存在だ。 だが、桜花賞で逃げずに7着と見せ場がなく、その後休養に入ったため、すっかり存在感が薄くなっていたか。これぞ盲点というやつだ。 トライアルでは得てしてこんな展開も多い。GⅠ出走に向け、出走権がかかった大切な一戦ということもあり、うかつに動きにくい。どの馬も最後に脚を残し、その脚力にかけたいところ。その想いが各馬の動きを鈍らせる。これも競馬のおもしろさだ。 レガレイラが最後尾を進み、クイーンズウォークが動かない限り、上がり馬たちはそう動けない。そして、レガレイラが後ろにいる以上、クイーンズウォークは先に動くメリットがない。しっかり脚をため、直線でキレ味のある末脚を繰り出せばいい。実際、そんなレースで完勝しており、定石通りの競馬だった。