中国株への懐疑的な見方強まる、世界トップの株高の持続性を疑問視
(ブルームバーグ): 中国株は世界トップの成績を上げているが、世界のファンドマネジャーやストラテジストの多くを納得させるまでには至っていない。
インベスコやJPモルガン・アセット・マネジメント、HSBCグローバル・プライベート・バンキング・アンド・ウェルス、野村ホールディングスなどは、最近の反発局面を懐疑的にみており、中国政府が景気刺激策の公約を実行するかどうか見極めようとしている。多くの銘柄がすでに割高な水準に達していることを懸念する声もある。
相次ぐ経済・金融・市場支援策で投資家の信頼感が回復し、中国株は9月下旬から急騰している。中国本土銘柄から成る香港株の指標ハンセン中国企業株(H株)指数はこの1カ月で30%余り上昇し、ブルームバーグが追跡する90余りの株式指標の中で世界最高のパフォーマンスを遂げている。
インベスコの香港・中国担当最高投資責任者(CIO)、馬磊氏は「短期的にはセンチメントがオーバーシュートする可能性があるが、ファンダメンタルズに回帰するだろう」と語った。「この上昇の影響で、一部銘柄は実際に、歴史的な高水準に過大評価されている」と指摘した。
中国株の一部、バリュエーションに懸念ある-インベスコ運用者が警告
中国政府が発表した景気刺激策には、金利引き下げや市中銀行の預金準備率の引き下げ、巨額の株式流動性支援、不動産価格の長期下落を終わらせるとの表明が含まれている。持続可能な株高を支える楽観的な見方はたくさんあるが、過去には「偽りの夜明け」が何回もあり、直近では2月の株高が完全に巻き戻された。
インベスコの馬氏は、今年に入り比較的数少ない中国強気派の一人だったが、今は投資を急ぐ必要はないという。
「株価が30%から40%上昇し、ほぼ歴史的な高値をつけている銘柄がある。今後1年で、ファンダメンタルズがピーク前と同じように良くなるかどうかは分からない。そのような銘柄は保有を減らしたい」と話した。