中国株への懐疑的な見方強まる、世界トップの株高の持続性を疑問視
さらに必要
JPモルガン・アセット・マネジメントも慎重だ。香港在勤のアジア太平洋地域チーフ・マーケット・ストラテジスト、タイ・フイ氏は「経済活動と信頼感を押し上げるためには、追加的な政策措置が必要だろう。これまでに発表された政策は、レバレッジ解消プロセスを円滑に進めるには寄与するが、バランスシート修復がまだ必要だ」と述べた。
フイ氏は世界的な不確実性も指摘。「米国の選挙を1カ月後に控え、多くの投資家は、中国を経済的・地政学的にライバル視する米国の見解は超党派のコンセンサスであると主張するだろう」と指摘。「外国人投資家は、経済データが底を打ち、この新しい政策の方向性が固まるのを待つことを選ぶかもしれない」と続けた。
成長鈍化
HSCBCグローバル・プライベート・バンキングは、中国が講じた措置が長期的な成長見通しの鈍化を覆すには十分でないと引き続き懸念している。
香港在勤のアジア担当CIO、チューク・ワン・ファン(范卓雲)氏は「回復の勢いを持続させ、5%という2024年の国内総生産(GDP)成長率目標の達成に向けて成長を補強するには、より大幅な財政緩和が必要だ」と主張。「中国のGDP成長率は2024年の4.9%から25年には4.5%に減速するとの予想に基づき、今のところ中国本土と香港の株式投資判断を中立で維持している」と指摘した。
バーストの可能性
野村ホールディングスはかなり悲観的な見方をしており、株価上昇はすぐにブームからバーストに変わる可能性があると警告する。
香港在勤の陸挺氏率いる野村ホールディングスのエコノミストは、最も悲観的なシナリオとして「2015年と同様に株式市場の熱狂の後に大きな値崩れが起きる」想定を示し、より楽観的シナリオと比べ「はるかに高い確率」で起こり得ると分析した。
中国株の熱狂、崩壊に転じる恐れ-15年に類似と野村エコノミスト (1)
原題:China Stock Skepticism Gets Louder as World-Beating Run Extends(抜粋)