<大阪出直し市長選>静かな異例の選挙戦 投票率に注目
大阪都構想の議論が停滞していることを理由に、橋下徹市長が辞任。それにともなう大阪市長選が、3月9日に告示されました。都構想推進派の橋下徹前市長は出直し出馬しましたが、大阪維新の会以外の政党は対立候補を擁立しない選挙戦になっています。
もともと高くない投票率
大阪市長選の投票率は、99年から3回続けて33%前後で推移していました。07年こそ40%台に乗せましたが、市長選への関心はそれほど高くないことが過去のデータからは窺えます。 しかし、2011年は違いました。府知事選とダブル選挙という要因もあり、大阪都構想を争点にした市長選は話題になりました。そうした背景もあり、多くの有権者が一票を投じたのです。結果、大阪市長選の投票率は60%を超えました。同時に実施された大阪府知事選の投票率も52%を超えています。 ダブル選で民意を得たと思われていた大阪都構想でしたが、市議会での議論は、議会の反対が強く行き詰まっています。それを理由に、橋下市長は辞任。改めて選挙で民意を問うとして、出直し市長選に挑むことにしたのです。
出直し選には4氏が立候補
今回の出直し市長選では、ほかに二野宮茂雄候補・マック赤坂候補・藤島利久候補の新人3名が立候補しています。 前回の市長選では前職・橋下徹候補は梅田駅前やなんば駅前など大阪の繁華街で街頭演説することが多かったのですが、今回の選挙戦は違います。橋下候補は、ミニ集会“タウンミーティング”(TM)を各地域の小さな公園で頻繁に開催しています。小規模な集会は住民との距離は近く、質疑応答の時間も長くなっています。まさに、大阪都構想への理解を求める格好です。 二野宮茂雄候補は、大阪では自転車の盗難が多発していることから自転車の二重ロックを義務づける政策や観光客誘致のための飲食店のチャージ料の撤廃を掲げています。ほかにも、風変わりな政策やアニメのセリフをツイートするなどして話題を集めています。 マック赤坂候補は、持ち前の“スマイル”を武器にして主に梅田駅地下街で街頭演説を頻繁に実施しています。大阪都には反対しており、それよりも行政改革を推進することで無駄の削減を目指しています。ほかにも、景気刺激策として街コンの開催も掲げています。 藤島利久候補は高知県出身のため南海地震への恐怖は誰よりも身近であると訴えています。大阪市内の大阪湾に面した地区は、海抜0メートル地帯です。津波によってこれらの地域が壊滅すれば大阪経済にも大きな打撃があるとして、万全な地震対策・津波対策を主張しています。