北朝鮮兵の戦闘参加、米国が初確認 韓国情報機関「戦場へ配置完了」
米国務省は12日、ロシアに派遣された北朝鮮兵が戦闘に参加したと、米政府として初めて公に確認した。ウクライナ軍が越境作戦を展開する南西部クルスク州で、ロシア軍とともに戦闘を始めたという。韓国の情報機関・国家情報院も13日、北朝鮮兵が「すでに戦闘に参加中だと評価している」と明らかにした。 米国務省のパテル副報道官が12日の会見で、1万人以上の北朝鮮兵がロシア東部に派遣され、大部分が同州に移動したとしたうえで、戦闘の開始を「確認できる」と述べた。 パテル氏は「ロシアが戦場で北朝鮮兵を投入して成功するかは、いかに自分たちの軍にうまく統合できるかにかかっている」とも指摘し、言語の壁や指揮統制の統合といった課題があるとの見方を示した。 一方、米国防総省のライダー報道官は同日の会見で、北朝鮮兵の動きについて「何を意味するのか、注視している」と述べるにとどめ、北朝鮮兵の戦闘参加を確認することはしなかった。 国家情報院によると、北朝鮮兵はこの2週間で同州に移動し、戦場への配置を完了したという。韓国政府は推移に応じて段階的に対応措置を取るとの立場で、状況を注視している。 ウクライナのゼレンスキー大統領は11日、ロシア軍が同州に約5万人を動員し、交戦しているとしていた。米国務省、国防総省ともに、5万人という規模は確認できないとしている。 ゼレンスキー氏は7日には、北朝鮮兵がロシア側で戦闘に加わり、犠牲者が出ているとした。米国はかねて、ロシア軍が北朝鮮兵に砲撃や基本的な歩兵作戦の訓練を行ってきたと指摘している。(ワシントン=清宮涼、ソウル=貝瀬秋彦)
朝日新聞社