福島県職員、入札妨害3人目 福島空港工事、元業者3人も在宅起訴
県が発注した福島空港の土木工事の入札で秘密事項の設計金額を業者に漏らしたとして、地検郡山支部は1日、公契約関係競売入札妨害の罪で会津若松建設事務所主査の男(43)=会津若松市=を在宅起訴した。福島空港の入札を巡る県職員の起訴は3人目。また男から設計金額の教示を受けたとして、石川町の土木会社「志賀建設」の元社員3人も同罪で在宅起訴した。 県によると、男は当時、福島空港事務所建設課主査で、県の聞き取りに漏えいを認めている。入札は、志賀建設が2億3636万8000円で落札。下回ると適正な工事をできるか調査が入る「調査基準価格」に近い額だった。 ほかに在宅起訴されたのは志賀建設の元役員などで、石川町発注の公共工事を巡る官製談合事件で贈賄の罪などで起訴された男(70)=石川町、男(63)=平田村=の両被告と、元従業員で福島空港の別の工事入札を巡って公契約関係競売入札妨害の罪で在宅起訴された男(70)=古殿町。 起訴状などによると、2022年3月9日に県が入札を行った土木工事を巡り、主査の男は2月14日、空港事務所で70歳男に設計金額を漏らし、3被告は設計金額の教示を受け、公正な入札を妨害した、としている。 県によると、主査の男は70歳男から依頼され、渡された付箋に工事費の金額などを書いて、70歳男に渡した。主査の男は入札の担当ではなかったが、パソコンの共有フォルダで入札情報を閲覧できたという。主査の男は70歳男と親しい関係だったとし「断れなかった」と説明。ほかに漏えいしたことはなく、金品授受もなかったとしている。 空港事務所を巡っては8月にも、別の工事での官製談合防止法違反などの罪で当時の建設課の主査が在宅起訴、課長が略式起訴され、課長は罰金50万円の略式命令が確定。主査の男も2人と同時期に所属していた。