たどん、出番到来 冬の季語も製造業者は国内2社に
寒さが厳しさを増す中、昔ながらの掘りごたつで使われてきた「たどん」が盛んに作られている。出雲市高松町にある丸ヨ商店の工場では、整然と並んだ黒くて丸い炭の塊が出荷を待っている。 【写真】昭和レトロであったまる やわらかい明かりともして燃える「たどん」
江戸時代、木炭の製造や運搬の際に出る粉などを丸めて成形したのが起源とされる。昭和30年代ごろまでは全国で盛んに生産されていたが、今では燃料用に製造するのは全国で丸ヨ商店と山口県内の1社のみになった。 国産広葉樹の粉炭をのりで混ぜ、機械で直径6・5~7・5センチに丸めて棚に並べ、30~40日間置く。乾燥の具合は職人の感覚が頼り。たたいた時の音や、実際腰ほどの高さから落として確認するという。1日約5千~6千個製造し、来年4月ごろまで出荷が続く。 笛吹勇気社長(37)は「じか火ならではのぬくもりを感じてほしい」と話す。