アウトドアショップ「エルク」が案内!山梨百名山の楽しみ方|#08 地元に愛される信仰の山
篠井山~地元に愛される信仰の山~
南部町内から、どっしりとしたその山体を見ることができる篠井山。標高は1、700m台ではあるが、南部町が富士川河岸で標高150m未満と、山梨県で一番低い位置にあるため、山自体の迫力をより感じるのかもしれません。 富士川の西岸にそびえる篠井山はふたつの峰に分かれており、北峰には四ノ位(篠井)明神が祀られている祠(ほこら)があります。この祠、じつはエルクとは少し縁があり、2017年と2022年のニ度にわたって、祠再建の資材をこの場所に運び上げるお手伝いをしました。(2017年時、祠が台風などの影響によって崩れていて、地元の方から依頼を受けました)。 山に入れば、朽ち果てた祠やお堂を見ることもありますが、再建までこぎ着けるのはなかなかできることではありません。登山道整備もしっかりとしていて、南部町の有志の方たちが大事にしている山なんだなと感じる、温かい山です。 そんな篠井山を登るのに、奥山登山口という最短の登山口から出発。ほかにもルートはあったのですが、いまは荒廃し使われていないようです。
滝と紅葉、渓谷美感じる登山道
奥山登山口に着けば、木彫りのマスコット「熊五郎」と「篠子」が出迎えてくれます。かわいいと思う反面、熊が出るのではと感じるかもしれませんが、山梨県内のどの山にも熊が出る可能性はあります。篠井山では登山口だけでなく、熊よけの鐘が登山道上に複数設置されており、熊に出くわさない工夫がされています。 熊よけの鐘を鳴らして進んでいくと、すぐに紅葉越しに「不撓不屈の滝」を見ることができました。歩き始めは沢沿いを進む篠井山の登山道は、不撓不屈の滝のほか、あとふたつ立派な滝を見ることができます。沢沿いは広葉樹林が多く、紅葉も併せて楽しめるので、狙い通りのいい時期に来ることができました。 篠井山はヒルが出る山として有名で、一般的に5月から10月中頃まではあまりおすすめできません。渓谷の紅葉も見ることができ、寒さが厳しくなる前の11月は、まさにちょうどいい季節。 さらに進んでいくと”ある”ことに気づかされます。それは事前の想定よりも、早いペースで歩いているということです。 登山道が非常に歩きやすく、そして100m毎に山頂までの距離と位置を示した看板が出てきます。看板は「篠井山を守る会」が有志で設置し、登山道整備もされたとのこと。そして傾斜のある場所ではつづら折りに、道幅も常に一定の間隔があります。 そのお陰で想定タイムよりも、早いスピードで進むことができました(笑)。