10代のころに入れたタトゥーが原因で我が子がいじめの対象に… 作者に聞いた“描いたきっかけ”<漫画>
タトゥー賛成派・反対派、両方の人に読んでほしい
――では、「タトゥー」と呼んでいる人は、どういう捉え方をしている人が多いのでしょうか。 丸田:「タトゥー」と呼んでいる人が意味がなく入れているということはないのですが、「入れ墨」よりもっと幅広い意味で捉えていると感じます。耳の後ろや手首にワンポイントだけ入れたりするものをイメージしている人は「タトゥー」と呼んでいることが多かったです。 入れた理由については、必ずしも明るい意味だけではなくて、悲しかったことを忘れないようにするためにするために入れている方もいます。今回は漫画の題材にするということで、「それなら……」と教えてくれた方がいましたが、私も相当仲良くないと理由を聞くことはできないと思います。 ――タトゥーを題材に漫画を描く上で、配慮したことはありますか? 丸田:タトゥーについて、賛否どちらの読者もいるということを前提にして、私自身が賛成か反対かは言わないようにしていました。 ――丸田さん自身は、タトゥーを入れてみたいと思ったことはありますか? 丸田:入れたことはないですが、10代の頃は、「入れてみたいな」と思ったことはあります。当時から20年以上マキシマム ザ ホルモンのファンで音楽フェスによく行っていたのですが、かっこよくタトゥーを入れている人がたくさんいたので憧れがありましたね。
主人公の名前は“あのバンド”のボーカルから
――主人公の名前の「リョウ」は、マキシマム ザ ホルモンのギタリストの方と同じ名前にしたそうですが、丸田さんにとってどんな魅力のあるバンドなのですか? 丸田:なにかと誤解されがちなのですが、すごくクリエイティブなバンドです。CDを書籍として出して書店に並べたり、ゲームをクリアして出てきたパスワードを入れないとDVDが見れなかったり、発信の仕方が面白いんです。 バンドを追いかけていくなかでファンの方と知り合ったりするのですが、「陽キャラ」「陰キャラ」でいうと、「陰キャ」の人のほうが実は多いんです(笑)。ストレスを抱えている人が聞くとスッキリする音楽なので、普段静かな人の方がハマりやすいバンドだと思います。 ――ファン同士の交流もあるのですか? 丸田:陰キャだからライブ会場ではあまり交流しないんですが、SNSで繋がったりしますね。私がSNSで漫画を投稿し始めたとき、プロフィールにマキシマム ザ ホルモンのファンだと書いたら、ホルモンのファンが沢山リツイートしてくれたんです。「久しぶりにホルモンのライブに行った」という内容の漫画だったのですが、そのおかげで最終的にバンドのメンバーに届いて感想をいただいたことがありました。ファンの方達の好意が本当にありがたかったです。今回の漫画も届いたらいいなと思います。 <取材・文/都田ミツコ> 【都田ミツコ】 ライター、編集者。1982年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。主に子育て、教育、女性のキャリア、などをテーマに企業や専門家、著名人インタビューを行う。「日経xwoman」「女子SPA!」「東洋経済オンライン」などで執筆。
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