戦後80年 広島で被ばくしたピアノの演奏会 ピアノ線以外は当時のまま「人の心を打つ」
鹿児島放送
今年は戦後80年です。 広島に投下された原爆で被爆したピアノを使った演奏会が鹿児島市で開かれました。 【小学2年生 中里友梨さんの演奏】 1945年8月6日。 広島に原爆が投下され、街の多くが焼失したなか、残ったものがあります。 爆心地からおよそ3キロの民家で被爆したピアノもその一つです。 ひろしま被爆ピアノ管理所有者 矢川光則さん 「もらい受けたときにピアノをちょっと解体して中を掃除したらですね、やっぱり原爆の痕跡いうのが出てきますね。細かいすりガラスの破片がやっぱり中に残っていましたですね」 広島市の調律師、矢川光則さんは、被爆者らから託された「被爆ピアノ」の演奏会を2001年から行っていて、今年最初の演奏会が鹿児島市で開かれました。 【山元一華さんの演奏】 切れたピアノ線を2本交換したものの、あとは被爆当時のまま。 戦争を目の当たりにしたピアノの優しい音色が会場を包みました。 観客 「(80年間)あのピアノがず~っとついてきた(音を奏でてきた)。そのことが私は感銘を受けましてね、本当に涙が出るくらいでした」 「人の心を打つ。感動しました。平和を伝えることができる、音楽で。素晴らしいです」 ひろしま被爆ピアノ管理所有者 矢川光則さん 「80年前被爆してこうやって傷ついたピアノもまだこうやって平和のメロディーを奏でている。若い人たちがそういう(平和を「作る」という)ことを意識を持ってもらうきっかけ作りになればなと」