学生生活調査結果に見る大学生の生活収支の平均像とは?
収入額の内訳の推移
収入額の内訳は図表3のとおりです。 令和4年の収入計は196万8000円であり、ピークであった平成16年と比較すると約23万3000円の減少となっています。 【図表3 収入額の内訳の推移】 単位:千円・%
また、「家庭からの給付」の構成比は、ほぼ減少傾向にあり、令和4年の55.7%とピークであった平成18年の68.3%とでは▲12.6%の差があります。その一方で「奨学金」や「アルバイト収入」は、コロナ禍などの影響もあるものの、総じて増加傾向にあります。
アルバイト従事状況、奨学金の受給状況
アルバイトの従事状況は平成26年から増加傾向となり、コロナ禍前の平成30年にピークの86.1%、令和4年には83.8%となっています。 【図表4 アルバイトの従事状況、奨学金の受給状況】 単位:%
奨学金の受給状況は最新の令和4年でピークの55%となっており、半数を超える大学生がなんらかの奨学金を受給していることが分かります。
まとめ
以上のとおり、大学生の生活収支の平均像(令和4年)は、支出(学生生活費)が年間182万4000円、それに対して収入は年間196万8000円となっています。 収入のうち、家庭からの給付が55.7%となっており、金額としては年間109万7000円(おおよそ月額9万1400円)を負担していることになります。残りは主に奨学金とアルバイトで賄っている状況であり、それぞれの金額、構成比ともに年々増加傾向にあります。 なお、奨学金については、令和2年度から開始された高等教育の修学支援新制度による返還不要の「給付奨学金」や「授業料減免制度」の影響があることも考慮しておく必要があります。 出典 独立行政法人日本学生支援機構 令和4年度学生生活調査結果 執筆者:高橋庸夫 ファイナンシャル・プランナー
ファイナンシャルフィールド編集部