世界で最も謎に包まれたサッカーチーム、北朝鮮代表の実情は?
尊敬を集める
02年に招集を受け北朝鮮代表チームに加わった安氏は、チームメートからすぐには受け入れられなかった。 選手もコーチも監督も、我々のことをよく知らなかったので、受け入れてもらう必要があった。最初から歓迎されたわけではなかったと振り返る。 北朝鮮の選手たちは強い絆で結ばれており、海外でプレーしていた韓氏や在日コリアンの選手らを除けば、彼らの大半は北朝鮮に居住しているため、いつでも代表チームに招集されることが可能だと安氏は説明した。 代表チームに受け入れてもらうために、新参の安氏は他の選手たちに自分の実力を証明しなければならなかった。 信頼を勝ち取り、認めてもらうためには、日々の練習で選手たちと競い合わなければならなかった。だが、練習だけでは十分ではなかったという。 W杯予選で2ゴールを決め、結果を出したことで代表チームの一員として受け入れられたと、安氏は06年のW杯予選でタイに4―1で勝利した際のゴールについて言及した。 それ以来、チームは安氏を心から歓迎し、チームのメンバーたちは「家族のような存在」になったという。 普段は離れ離れだと安氏。自身は日本にいて、彼らは北朝鮮におり、連絡を取り合うのは難しいと安氏は述べ、平壌にいる友人たちにメッセージを送ることすらできないという残念な現実を振り返った。 だが、運命の巡り合わせで、安氏は昨年3月に元チームメートで、現在は北朝鮮代表の監督を務めるシン・ヨンナム氏に再会した。シン氏からは、安氏に対して、才能ある将来有望な若者たちとサッカー経験を分かち合ってもらいたいとして、平壌を訪れるよう頼まれたという。 久しぶりの再会を懐かしく思ったと、安氏はおよそ5年ぶりに同胞や元チームメートに会った時のことを回想した。 また機会があれば、平壌に戻り、できることなら代表チームに何らかの支援をしたいと考えているという。