自分だけのこだわり叶える「オーダースーツ」で失敗しないコツ ビジネスシーンだけでなく休日着としても人気
スーツ離れが加速している。2023年における1世帯当たりのスーツの年間支出額は、ピーク時の1991年に比べ1/5以下まで減った(総務省家計調査〈2人以上世帯〉)。 【写真15枚】時代の先端を象徴するテーラー(個人経営の注文服店)のオーダースーツ クールビズを機に加速したカジュアル化や、在宅勤務の普及など働き方の変化を経て、仕事着はスーツとは限らなくなったからで、量販店や百貨店を中心にスーツ売り場の閉鎖や縮小、業態転換が進んでいる。 しかし、そうした中でも唯一気を吐いているのが「オーダースーツ」だ。
■今、圧倒的に選ばれているのは「オーダースーツ」 例えば、スーツ量販店を展開する青山商事やコナカは、近年オーダー分野に参入して売り上げを伸ばしている。オーダーは在庫を大幅に減らせる分、店舗スペースも縮小できるので、運営しだいで実は既製スーツよりもコストダウンが図れるのだ。 老舗アパレルのオンワード樫山までも「KASHIYAMA」のブランド名で従来より廉価なオーダースーツの展開に注力しており、高感度な百貨店やセレクトショップのバイヤーも「スーツの主役は、既製品からオーダー品にシフトしつつある」と口を揃える。
【写真】テーラー(個人経営の注文服店)によるオーダースーツも人気(15枚) 下図のように、私たちは今、実にさまざまな場所でスーツをオーダーできるようになっている。 そこには主に、3つのニーズがあるようだ。 スーツは冠婚葬祭や大切な行事にしか着ないのでベストな一着をオーダーしたい「一張羅ニーズ」、価格が既製品と大差ないためオーダーで揃えたい「コスパ最重視ニーズ」、そして「スーツは平日の仕事着ではなく、休日のプライベートを充実させる服」と捉える「休日着ニーズ」が拡大している。
とくに休日着ニーズは、若い世代を中心に一種の「カルチャー」として根付き始めている。彼らは自分の好みを探求し尽くし、こだわりの一着をオーダーする傾向が強い。ビジネスにはあまり適さないとされる茶系や緑系の生地も自由に取り入れるなど、自分流にカスタマイズする感覚でオーダーを楽しんでいる。 ■オーダースーツは「3種類」に分けられる 新たな顧客ニーズを取り込むオーダースーツだが、「店舗ごとの違いがよくわからない」という人も多いのではないだろうか。