東京流とは違う信州そばの世界 11月まで「まつり」ラッシュ
近年は高級化が目立つが……
「東京流のそばは細くてしゃきっとしていて、濃いつゆに少しつけて食べるが、田舎そばは太くて少し軟らかく、つゆにどっぷりつけて食べる」と言う金子さんの見る信州そばの強みはどこに? 「各県でトップ5のそば店を挙げろと言えば、どこの県でも同じレベルのそば店が並ぶ。ただトップ5より下の中堅どころのそばということになると信州の層の厚さが他の県に勝るのです」。 最近は店によってそばも高級化しているが、そばは身近で手ごろに食べられるのが本来の姿と指摘。そして「そば好き」はそば屋で顔を合わせても「このそばが好きでね」と言うくらいであまり語らないが、「そば通」は「まずい」と文句を言いながら店に行かなくなるだけでなく「あそこはまずい」と言いふらすもの、と独特のそば世界を語る金子さんでした。 農水省によると平成27年産のソバの収穫量は北海道の1万6000トンに次いで長野県が2340トン、茨城県1980トン、福井県1930トン、山形県1620トンと続きます。全国の作付面積は5万8200ヘクタールで、他作物への転換があったため前年より1700ヘクタール(3%)減少しました。10アール当たりの収量は北海道の好天の影響で前年比15%増の60キログラムでした。 《取材協力》金子万平(かねこ・まんぺい) 1941年上田市生まれ、長野市在住。東大文学部卒。多くのそば店の豊富な「甘辛評価」情報を持つ。おやきなどの食文化や真田一族関係などの著書、共著多数
----------------------------------- ■高越良一(たかごし・りょういち) 信濃毎日新聞記者、長野市民新聞編集者からライター。この間2年地元TVでニュース解説