中村アン&横山裕インタビュー 日本テレビ系ドラマ「約束」で異色のバディ好演
女優・中村アン(36)と「SUPER EIGHT」の横山裕(42)が共演する日本テレビ系「約束~16年目の真実~」(木曜・後11時59分)が好評だ。かつて連続殺人犯の汚名を着せられた父の無実を証明すべく刑事になったヒロインと、彼女の監視役も兼ねる冷静な同僚の異色バディが“静かなる火花”を散らす。「撮影は大変ですが面白い」(中村)、「人と人との“間”がヒリヒリして、すごくシビれます」(横山)と、完全オリジナル作にじっくり取り組んでいる。(筒井 政也) 【写真】脇腹が大胆に開いたブラックドレスを披露した中村アン 「登場人物全員、容疑者候補」―刺激的なコピーに、SNSは「考察」で盛り上がる。16年前、東京郊外の町で起きた連続殺人の真犯人は? 桐生葵役の中村は結末をあえて聞かず、撮影に臨んだ。 中村「知っているとその体(てい)になってしまう。そんなに起用にはできないなって。でも全然、分からない(笑い)」 横山「いろいろと考えられていて、一枚も二枚も上手(うわて)で“ながら見”では…。見る方も集中力、体力が要りますが、それをすればハマるドラマです」 25日に放送された第3話では、葵の同級生で、妹を殺された不破(細田善彦)が「犯人は自分」と自供する。葵は再捜査に動くが、プロファイリング(犯罪推論)にたける香坂(横山)は、事件当時に記憶を失った葵への注視を続ける。衣装は2人とも終始、黒一色。装飾無用で、内面の演技が要求される。 横山「セリフが多くて、台本を投げてやろうかなって(苦笑)。でも、上質で、絵にもこだわりのある大人なドラマ。昨今、編集で詰めてテンポよく…というドラマが多いですが、すごく“間”がある。そこから、どう変化するか楽しみ」 中村「私はチアリーディングもやっていましたし、パブリックなイメージが『陽』な感じで笑顔になる方が得意ですが、『スン』とした真逆なことができるのは、うれしいですね」 2人はドラマでは初共演となるが、もともと知った間柄。お互いをプロファイリングすると…。 横山「アンちゃんは裏表がない。僕もそうですが、やっぱり(共に)バラエティーをやっているから、気遣いの部分は自然と似ているかも」 中村「そうかも! テンポは非常に似ていますよね」 横山「変な空気になるのが嫌やし(笑い)。だから、めちゃくちゃ楽です。お互い、ちゃんと間がある」 一方で、題名にちなんだ「約束」の考え方は正反対。中村は“約束に縛られたくない”派で、友人との食事にも慎重だ。 中村「予約が取れない店、絶対行かないといけないじゃないですか。迫ってくる感じ、しませんか? 何なら当日、居酒屋でいい。先のことは何も分からない。瞬間、瞬間のタイプ。ちょっと、わがままなのかも」 横山「僕は予定を決めたいんです。(仕事を)終わる時間も。押したら嫌なんスよ」 中村「じゃあ、生放送しかできない(笑い)。現場のタイムキーパー役ですね」 忙しい芸能界のリアルな裏側でもありそうだが、副題には「真実」の言葉もある。活躍し続ける2人が今感じる「真実」とは。特に横山は「関ジャニ∞(エイト)」の一員としてデビューし、今年で丸20年になる。 中村「初めは分からずにやっていましたが、心を使うお仕事。苦しいことや孤独も感じますが、突き詰めるほど楽しい。すごく深いなって、ひしひしと感じます」 横山「(メンバーが)みんな健康でやりたいことがやれていたらいい。続けることの大変さを20年やって痛感していますし。(『―EIGHT』への改名は)慣れてないですね。でも、そういうもの。前の屋号が強すぎたので、そんな簡単には…。まあ、ここから。急いでもないですから」 ドラマの展開は早いが、芸の道はゆっくり歩む。 ◆中村 アン(なかむら・あん)1987年9月17日、東京都生まれ。36歳。高校、大学とチアリーディングで活躍。雑誌「andGIRL」「BAILA」などでモデルを務め、バラエティーでも活躍する一方、2010年代前半から女優業にも進出。「約束」と同枠の日テレ系「ラブリラン」で連続ドラマ初主演。今冬の放送が決まったTBSテレビ系スペシャルドラマ「グランメゾン東京」への出演も決まっている。 ◆横山 裕(よこやま・ゆう)1981年5月9日、大阪府生まれ。42歳。96年にジャニーズ事務所入所。関西ジャニーズJr.の中心メンバーとして、02年に「関ジャニ∞」(現SUPER EIGHT)を結成。04年8月「浪花いろは節」でCDデビューする。俳優としても活躍し、21年のテレビ朝日系「コタローは1人暮らし」で連続ドラマ初主演。 ◇第4話(5月2日放送)あらすじ 葵(中村)は香坂(横山)とともに、若菜(向里祐香)が殺害された日、彼女と会っていた尾藤誠(井上肇)を問い詰める。その後、葵は、高校の同級生・恵(佐津川愛美)から16年前、不破(細田善彦)の妹が殺害された時のある真実が告げられ、信じていた父への疑惑が生まれて混乱する。
報知新聞社