週刊誌に性被害 “告発” 女性へ「最初に警察へ言え」批判は筋違い… 誹謗中傷 “違和感” の正体を弁護士が解説
週刊誌へ告発のなぜ?
これまでの話からも、A子さんら女性たちが裁判で不利になる要素は見られない。ではなぜA子さんと弁護士は裁判ではなく“週刊誌への告発”という手段をとったのだろうか。 この理由について青木弁護士は「週刊誌報道が事実である」と仮定した上で、「強制わいせつ事件の要件」が関係しているのではないかと推測する。 「まず8年前の強制わいせつ事件であればすでに時効が成立しています。もし仮に、当時刑事事件になっていたとしても、強制わいせつ罪は〈被害者の反抗を著しく困難にする程度の暴行脅迫〉がなければ成立せず、週刊誌報道にある事実だけでは立件が難しかったと思います」(青木弁護士)。 しかし、松本氏とA子さんの関係は〈経済的または社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること〉に該当する可能性があり、2023年に改正された“現行法”では性的行為の強要があった場合、「不同意性交等罪・不同意わいせつ罪」が適用される。 「A子さんは、現在であれば、罪に問われる可能性のある行為をされたということを伝えたくて、週刊誌に訴えたのかもしれません」(青木弁護士)
弁護士JP編集部