『虎に翼』土居志央梨が入山法子の悲しみに寄り添う 8年に及ぶ“原爆裁判”がついに結審
よね(土居志央梨)「声を上げた女に、この社会は容赦なく石を投げてくる」
よねは「声を上げた女に、この社会は容赦なく石を投げてくる」「傷つかないなんて無理だ。だからこそ、せめて心から納得して自分で決めた選択でなければ」と語る。逆風の中で戦ってきたよね自身が、それを誰よりも感じていただろう。口や手を出して何の責任も取らない人間や犠牲を強いる社会に自らを差し出して、あえて傷つく必要はない。よねの言葉は、第113話の「どの地獄で何と戦いたいのか、決めるのは彼女」と表裏一体である。苦しみを1人で抱えるミキに「あなたが謝ることは何もないんだ」と寄り添う姿には、苦しみ抜いた人間だけが持つことのできる優しさがにじみ出ていた。 ミキの言葉は轟が代読することになったが、静かに読み上げる一語一語から、かえって原告が受けた苦痛の深さと原子爆弾のおぞましさが切実に伝わってきた。劇中で昭和30年に始まった原爆裁判は昭和38年3月に最終弁論が行われ、あとは判決を残すのみである。
石河コウヘイ