【トライアスロン】16年リオ五輪代表の佐藤優香がラストラン「やり切った」3位表彰台で笑顔
<日本トライアスロン選手権(女子)>◇17日◇東京・お台場 女子で16年リオデジャネイロ五輪代表の佐藤優香(トーシンパートナーズ・NTT東日本・NTT西日本・チームケンズ)が、笑顔でラストレースを駆け抜けた。 16日に今大会限りでの現役引退を発表した32歳。逆転で3位に入り、「今日は自分の力ではなく、観客の皆さまの応援の後押しでつかめた表彰台」とすがすがしい表情で振り返った。 最後の力を振り絞った。第1種目のスイムは第2集団。2種目目のバイクで先頭集団に駆け上がり、さあこれからという最終種目のラン開始直後だった。「足がつったのがわかった」。2周目からけいれんが始まり、5位に転落。「どうしたんだろう」と気持ちが切れかけたが、沿道の応援や監督の言葉で立ち直った。最後の300メートルでギアを上げてチームメートの酒井美有をかわすと、そのままフィニッシュ。「やり切った。表彰台に立てたので」と感極まった。 ゴール直後、20年来の盟友の高橋侑子と抱擁を交わした。「お疲れさま」とかけられた言葉がうれしかった。「私の中で一番大きな存在。彼女の存在があったからこそ、自分も頑張れたと確信している」と、ともにトップを走ってきたライバルに感謝した。 10年に第1回ユース五輪で大会金メダル第1号に輝き、東京五輪開催が決まった13年の国際オリンピック委員会(IOC)総会で最終プレゼンテーションに登壇。東京五輪と今年のパリ五輪は出場を逃したことで、今回の決断に至った。「トライアスロンが大好きなので、チームの強化に携わっていきたい」。競技者としてはゴールテープを切ったが、佐藤はこれからも自分の道を走り続ける。【勝部晃多】