【サンスポ賞さきたま杯】JpnⅠ昇格元年の王者はレモンポップ! 坂井瑠星騎手「負けないと思っていました」
単勝1・2倍の断然人気に推されたレモンポップ(JRA)が3コーナー手前で先頭に立ち、後続を寄せつけずに完勝。記念すべきJpnⅠ昇格元年の王者に輝いた。勝ちタイム1分26秒7(重)。今後については未定。2馬身差の2着は3番人気イグナイター(兵庫)で、さらに半馬身差の3着に2番人気シャマル(JRA)が入った。 夕暮れの浦和に、ファンの大歓声がこだました。単勝1・2倍の1番人気に推されたレモンポップが、初コースでも揺るぎない強さを見せて完勝。JpnⅠとしての〝初代王者〟に輝き、GⅠ級4勝目をマークした。 「五分のスタートを切ってくれれば力は上だと思っていて、この馬のリズムで走ることだけ考えていました。ポジションはこだわっていなかったです。日本ではこの馬では負けていないし、負けないと思っていました」 国内でコンビ4戦4勝とした坂井騎手が笑顔で振り返る。好スタートを切ると、内のアランバローズを行かせて2番手から。3コーナー手前から早めに動いて先頭に立ち、昨年の覇者イグナイターに2馬身差をつけて先頭でゴールイン。ウイニングランでスタンド前まで戻ると、鞍上は左手をあげて声援に応えた。 サウジCでの12着大敗を受け、中間に陣営はメンタル面の改善に試行錯誤。田中博調教師は「ここ2走は馬の雰囲気が良くなかった。チャンピオンズCは勝ちましたが、サウジCのときは馬が雰囲気にのまれて舞い上がっていた。海外遠征後の放牧がいい休養になって、いい調整ができました。初めての小回り1400メートルもこなしてくれて強い競馬でした」と胸をなでおろした。 次走は未定だが、これで国内では14戦オール連対。2回チャレンジしてはね返された海外遠征についても、「選択肢はゼロではないです」とトレーナーは話した。まだまだ成長を続け、爽快にはじけるレモンポップから目が離せない!(片岡良典) ■レモンポップ 父レモンドロップキッド、母アンリーチャブル、母の父ジャイアンツコーズウェイ。栗毛の牡6歳。美浦・田中博康厩舎所属。米国産。馬主はゴドルフィン。戦績16戦11勝(うち地方2戦2勝、海外2戦0勝)。獲得賞金5億6175万6000円(うち地方1億5000万円)。重賞は2023年GⅢ根岸S、GⅠフェブラリーS、JpnⅠマイルCS南部杯、GⅠチャンピオンズCに次いで5勝目。さきたま杯は田中博康調教師、坂井瑠星騎手ともに初勝利。馬名の意味は「レモンスカッシュ」。 ■売り上げレコード さきたま杯の売り上げは、16億9706万8000円で前年比157・8%。JpnⅠ格付けされたことでより注目を集め、昨年に記録したレコード(10億7542万500円)を大幅に更新した。