高校生扶養控除 現行の水準「維持」へ 自民、縮小から方針転換
自民、公明両党は18日、高校生年代(16~18歳)の子を持つ親の税負担を減らす扶養控除について、現行の水準を維持することで合意した。政府は児童手当を高校生まで広げた代わりに税優遇を縮小する方針で、自民も同調していた。ただ、国民民主党が縮小に反対し、公明が結論の1年先送りを求めたため、方針転換した。 【図表】年収ごとに受けられる支援額(片働きの場合) 政府は2024年10月、児童手当の給付対象を高校生まで広げ、1人当たり月1万円の支給を開始した。これに伴い、高校生の子を持つ親が受けられる扶養控除は、24年度税制改正大綱で縮小する方針を提示していた。控除額について、所得税は年38万円から25万円に、住民税は年33万円から12万円にそれぞれ減らすこととし、25年度税制改正で「結論を得る」としていた。 政府は扶養控除を縮小しても児童手当の支給に伴い、1世帯当たり手取りは3万9000~12万円増えると試算しており、自民も縮小を認めていた。ただ、公明からは教育費の負担が大きい子育て世帯の支援の必要性から結論を先送りすべきだとの声が出ていたほか、国民民主も縮小に反対していた。国民民主の主張に対し、自民の宮沢洋一税調会長は「重く受け止める」と発言していた。【野間口陽、杉山雄飛、小田中大】