2023年、俳優としての大きな一歩を踏み出したTikTokクリエイター・大川泰雅が目指す未来
1年を通して活躍したTikTokクリエイターを表彰する『TikTok Creator Awards Japan 2023』の授賞式が、都内・虎ノ門ヒルズ ステーションタワー内の「TOKYO NODE HALL」で開催された。 【写真】大川泰雅の撮り下ろしカット 本アワードは、2023年に投稿された動画の総再生数、おすすめ再生数、いいね数、フォロワー増加数を総合的に評価し、部門ごとに5組のノミネートを選出。その後、視聴者による投票でそれぞれの部門で最優秀賞が決定した。 そのなかで、ドラマ部門の最優秀賞(Drama Creator of the Year)を授賞したのが、POVと呼ばれるワンシーンを切り取ったショートドラマの投稿で人気を博した大川泰雅だ。1人で何役も務めながら、ドキドキするストーリーを展開する投稿は、多くのファンを生み出している。 役者としてドラマで主演を張ることを目標としている大川。TikTok Creator Awards Japan 2023受賞後の感想、2024年に向けての抱負を聞いた。 ・TikTokのおかげでようやく俳優としてのスタートラインに立てた ーーアカウント開設3年目で初めてとなるTikTok Creator Awardsの受賞、おめでとうございます! 大川:受賞できて本当にうれしいです! 正直、ノミネートされた時は選ばれるのは難しいと思っていました。投票日まで毎日30分のLIVE配信を諦めずに続けてよかったです。多くの人に支えられたおかげで、結果が実を結びました。 ーー2023年はTikTokのショートドラマへの出演を果たすなど活躍の場を広げた印象があります。振り返ってみていかがでしょうか。 大川:2023年は、ショートドラマの出演も果たし、現在の事務所であるスターダストプロモーションに所属させていただけました。実は、いまの事務所には、以前に応募したんですが、書類審査で落ちているんです。改めて応募した際は、TikTokでの実績を評価していただきました。まだまだ演技を学んでいる途中ですが、ようやく俳優としてのスタートラインに立てたと感じています。 ーー俳優としてドラマの主演を張るためにTikTokを始めたと聞きました。その経緯を教えて頂けませんでしょうか。 大川:大学を卒業する直前の2020年に俳優を目指し始めました。そのときに「2024年の1月19日までにドラマで主演を張れなかったら俳優を引退する」と両親と約束したんですね。俳優を目指し始めてから養成所に通い、事務所に所属しました。 舞台にも出演したのですが、知名度も経験も華もない状態だったので、自分ならではの武器がほしいと考え、TikTokを始めました。 ーー思い切った選択をしたんですね……! 大川:実は、企業からの内定も出ていたんですよ(笑)。それを断って俳優の道を目指しました。 ーー両親との約束もハードルが高いように思えます。 大川:本当になんでそんな約束をしたんだと当時の自分に怒りたいです。ただ、社会人になる直前での出来事だったので、大学まで進ませてくれた両親の気持ちを考えると、本気度を見せる必要がありました。 ・俳優を目指したきっかけはアイドルである妹の卒業コンサート ーーよっぽど俳優になりたい気持ちが強かったのですね。なぜ俳優を目指したのでしょうか? 大川:いくつか理由がありますが、最も大きいのは、アイドルをやっている妹の卒業コンサートを見たことですね。それまでは1回も妹のコンサートに行っていなくて。さすがに、最後は見に行こうと思って、舞台を見たら、めちゃくちゃ感動したんです。人を魅了して元気にさせたり、感動させたりする姿が、とてもキラキラして見えました。自分も誰かの心を動かせる人間になりたいと思い、俳優を目指しました。 ーー素晴らしい公演だったんですね……! 他の理由についても教えて頂けませんでしょうか。 大川:まず、彼女に振られたことですね(笑)。9月1日でしたね。はっきりと日付を覚えています。当時、あの時こうしておけばよかったとナイーブに考えることがあったので、これからは後悔しない人生を送ろうと思っていました。ちなみに、妹の卒業コンサートは9月28日です。 次に、妹の卒業コンサートの前日に祖父にアドバイスを貰いました。「ちょっと飯行くぞ」と誘われて。ご飯を食べながら、卒業後の進路の話をしていたのですが、本当にその会社で働きたいのかと問われて、少し考え込んだんです。 いま振り返ると、自分を変えたかったのかなと思います。大学に通っていましたが、特別なことに取り組んでいませんでしたし、所属していたゴルフ部でもレギュラーになるなどの目立った結果を残せたわけでもなかったので。 ーー特定の視点でシーンを演じるPOV(point of view)の中でも、大川さんの投稿はしっかりとした構成の脚本で1人で何役も演じられています。この動画を始めたきっかけはなんだったのんでしょうか。 大川:きっかけは、舞台の待ち時間に、海外の人が同じような動画を投稿しているのを見つけたことです。まだ日本で活躍している人もいませんでしたし、家に帰ったら絶対にやろうと思いました! そのときのことははっきりと覚えていますね。 ーーその後は、どのようにフォロワー数が伸びたのでしょうか。 大川:それまでは190人しかいなかったのですが、2日で2000人を突破。1ヶ月後には5万人になり、地道に投稿を続けて、半年経った頃には35万人になりました。 ーー大川さんの躍進を支えたPOVですが、どのような特徴があると思いますか。 大川:見ている人が参加型になれるのがPOVの特徴です。逆に、舞台だとお客さんの反応を受け取って、相互に作品を作り上げていきます。僕個人としては、視聴者の反応を見ながらではなく1人で作り上げるので、舞台と全然違うのがおもしろいと感じています。ただ、POVならではの難しさもあって。ひとりでドラマを作らないといけないので、スマートフォンの録音ボタンを押すのが大変なんですよ(笑)。 ーーちなみに、約束の日までの時間が1ヶ月を切っていますが……。 大川:両親との約束はあるのですが、TikTok Creator Awardsを受賞できたので、これから今後の話をしたいと思います! その結果については、また動画で報告させていただきます。 ーーありがとうございます! 最後に、今後、やっていきたいことについて教えてください。 大川:今後は、当初の目標であるドラマや映画の道へと進んでいきたいと考えています。その方向に進めたとしたら、その裏側を見せられたらいいのかなと思っています。まずは、両親との話し合いをしなきゃですね。これからも頑張っていきます!
中たんぺい