自動化へ向かう「Microsoft 365 Copilot」 エージェント強化や画面から回答・翻訳
Microsoftは19日(米国時間)、「Microsoft 365 Copilot」の強化などを発表した。 Microsoft 365の各アプリにおいて、繰り返し作業の省力化などに取り組むほか、エージェントによる作業の自動化を強化していく。 【この記事に関する別の画像を見る】 同社の大規模イベント「Microsoft Ignite」において、Microsoft 365 Copilotのエージェント展開やAzureなど様々なサービスの新機能を発表したもの。ここでは主にMicrosoft 365 Copilotについて紹介する。 ■ 日常業務は自動化 画面から要約・回答や翻訳強化 Microsoft 365 Copilotにおける「Copilot Actions」は、日々の定型業務を自動化するもの。一度設定すれば、シンプルな入力フォームに記入するだけで、日常的なタスクを完了できる。例えば、業務終了時に、重要なアクションの要約を自動で受け取ったり、毎週木曜日に送信するニュースレターの作成のためのチームから意見集約などを自動化する。また、顧客とのミーティングの準備のため、直近のやりとりや要約する繰り返しアクションなどを作成できる。 コラボレーション用の「Copilot Pages」も強化。インタラクティブなフローチャートやコードブロックなどを、Microsoft GraphのデータからCopilotに作成を依頼できる。この機能は2025年初頭に一般公開予定。 Teamsでは、会話、チャット、画面上のプレゼンテーションを通じた対話を強化。Copilot in Teamsは、PowerPointからWebまで、画面上で共有されたコンテンツについて、質問を理解・要約し、回答できるようになる。また、チャットで共有されたファイルの概要を、ファイルを開くことなく取得するために、Copilotにファイルの要約を依頼できる。この機能は、2025年初頭にパブリックプレビュー開始予定。 Copilot in PowerPointでは、1回の指示で、それぞれのスライドのデザインを維持しながら、プレゼンテーション全体を40言語に翻訳可能となる。'25年に一般公開予定。 Copilot in Outlookは、集中時間や1対1の会議のスケジュールをサポート。同僚と双方のカレンダーを確認して最適な時間を割り出し、会議の議題の下書きを作成できる。この機能は11月末までに一般提供する。 ■ Copilotは「エージェント」 Teamsにリアルタイム翻訳 今回は「エージェント」について多くの発表を行なっており、エージェントを作成するための「Copilot Studio」の機能強化を行なう。 全ての「SharePoint」サイトには、エージェントが導入される。これにより、従業員がSharePointのエージェントを使用すると、作業計画からプロジェクトの詳細をすぐに取得したり、最近の製品メモを要約したり、ドキュメントを数秒で見つけるといったことが可能となる。 例えば、営業担当者が最新の製品仕様書、価格設定文書、顧客提案書をすぐに探せるほか、検索せずに顧客からの問い合わせに迅速に対応できる。ファイルをまたがるデータについても、エージェントに質問して、回答を得られるほか、特定のコンテンツを対象としたカスタムエージェントを簡単に作成できる。 また、Teamsの通訳機能では、会議中にリアルタイムで音声から音声への翻訳できるようになる。自分の話し声をシミュレートすることも可能で、2025年初頭にパブリックプレビューを開始予定。 BizChat(Microsoft 365 Copilot Business Chat)の従業員セルフサービスエージェントは、社内の基本的なポリシーに関する質問に素早く回答し、人事やITなどのタスクを簡単に完了できるようにする。例えば、福利厚生の理解や新しいPCの申請などをエージェントにゆだねて自動処理できるという。 今後数カ月で、ServiceNowなど数十社のパートナーが、ミッションクリティカルなナレッジを人事、財務、営業などの業務の流れの中で直接提供できるよう、エージェントをCopilotに追加する予定としている。 また、新たにWindows Resiliency Initiative(Windows回復イニシアティブ)も発表。これには、予期せぬ障害からの復旧を支援する「Quick Machine Recovery」も含まれており、管理者はPCが起動できない場合でも、Windows Updateから対象を絞った修正を実行できるようになる。同機能は、2025年初頭にWindows Insiderで提供開始する。
Impress Watch,臼田勤哉