阪神・森下 大谷翔平と夢対決「詳しい部分まで見たい」 来年3月プレシーズン戦 アーチ量産へ学ぶ
夢の対戦を進化のきっかけにする。来年3月に東京ドームで開幕カードを戦うカブスとドジャースが、同15、16日に阪神、巨人とプレシーズンゲームで対戦すると、主催者が発表した。プレミア12でベストナインに選ばれた阪神・森下翔太外野手(24)は、ド軍・大谷との対戦を心待ちにした。「投手・大谷」との対戦実現は微妙ながら、今季「50―50」を達成して3度目のMVPを獲得したスーパースターとの競演に注目が集まる。 森下は目を輝かせながら、ドジャース戦決定を喜んだ。今季、大リーグ史上初の「50―50(50本塁打&50盗塁)」を達成して自身3度目のMVPに輝いた大谷の打撃を、間近で吸収するこれ以上ない機会が訪れた。 「大谷選手を見てみたい。飛距離もそうですし、もう全部別格だと思うので」 “生大谷”は初めてではない。23年3月、阪神が侍ジャパンとWBC壮行試合を戦った際に、新人だった森下は、大谷の打撃練習を見ている。当時は京セラドームの右翼席上段に消えていく白球を見て、ただ「凄い選手」という感想しか残らなかった。そこから2シーズン。阪神の主軸として成績を残し、日本一も経験した。自分なりの打撃理論を確立し始め、ルーキーイヤーとは見る目が変わっている。 「初めて見た時は自分の知識があまりなかった。今は知識もついてきたので、もっと詳しい部分まで見てみたい」 己を高める機会にする。プレミア12では全9試合で4番を任され、打率・357、1本塁打、9打点と活躍。ベストナインにも選ばれたが、海外選手とのパワーの差を痛感していた。「台湾の選手を見ても、自分はパワーの伝え方がまだ足りない」。昨季は10発、今季は16発と、着実に本塁打数を増やすが、目標の25本塁打にはまだ届いていない。ピンポン球のように打球をスタンドへ届ける大谷のスイングに目を凝らし、パワーアップへのヒントにする。 「甲子園で本塁打数を増やすというのは難しいけど、そのためにやれることをやりたいので」 トップレベルの投手との対戦も糧にする。投手としての大谷がプレシーズンゲームまでに復帰できるかは微妙だが、「メジャー級の投手たちと対戦できるのは楽しみ」と心を躍らせた。“大リーガー撃ち”を果たせば、26年に開催されるWBCの侍ジャパン選出も見えてくる。「ドジャースとやるというだけで、注目度は高くなる。そこで光るものを見せれば、(代表入りの)可能性も見えてくると思う」。ド軍戦でアピールし、3年目の来季も阪神の中軸を担う。その先に、準優勝に終わったプレミア12のリベンジが待っている。(松本 航亮) 《近年の阪神vsメジャー球団》 ☆04年 3月28日のデビルレイズ(現レイズ)戦はアリアスのソロ、矢野の適時打などで7回までに5点リードも、終盤に久保田3失点、安藤2失点とつかまり7―7の引き分け。同29日のヤンキース戦は2回に6者連続安打の7安打7得点。6回アリアスの3ランも出て11―7の勝利。 ☆08年 3月22日のレッドソックス戦で、9回に登板の藤川が最速149キロ直球を主体に2奪三振の3人斬り。試合は5―6で敗戦。同23日のアスレチックス戦は先発の福原が5回5失点。4番・金本も2試合で7打数無安打に終わり2―10の完敗。 ☆12年 3月25日のマリナーズ戦は2回、金本は右翼“イチロー越え”の2ラン。岩田ら投手陣もイチローを4打数1安打に抑えて5―1の勝利。同26日アスレチックス戦は初回に新井の2ランで先制。3回に再び新井の適時二塁打などで4得点して試合を決め、12―6の大勝。(球場はすべて東京ドーム)