いちごブッフェの「生みの親」ホテルニューオータニ、なぜ支持されるのか?「流行だけじゃない」
「元祖いちごブッフェ」と称され、15年にわたり安定の人気を誇る「ホテルニューオータニ大阪」(大阪市中央区)の「ホテルでいちご狩り」が1月5日にスタート。多くの人で賑わう同ビュッフェだが、何が「元祖」なのか? なぜここまでも人を惹きつけるのか? 改めて取材した。 【写真】一切れ1800円以上、人気の「ケーキ食べ比べ」も ■「ホテルでいちご狩りができたら…」 「いちごブッフェ」と言えば、冬の風物詩と言っても過言ではないほど、今では各ホテルの定番企画となっているが、その起源は同ホテルのスイーツブッフェ「ホテルでいちご狩り」にあった。 広報担当の濱川未来さんによると、きっかけは「ホテルでいちご狩りができたらおもしろいよね」という何気ない提案だったという。そこから構想が練られ、2008年よりスタートした同ブッフェは反響を呼び、15年間も続く同ホテルの看板イベントに。またその噂はお客さんだけでなく、ホテル界隈にも広まり、いちごブッフェは瞬く間に「冬の名物」となったのだ。 会場となるのは、やさしい陽射しが差し込むアトリウムロビー中央に位置する「SATSUKI LOUNGE」。実はこの会場も人気を集める理由のひとつだといい、濱川さんは「この吹き抜けの解放感のある雰囲気、ゆったりしたテーブルや席の間隔も好まれ、よくお客さまに褒めていただきます」と笑顔をこぼす。 ■ 写真を撮るなら、開始時刻に集合! そして取材をするなかで、驚いたのはお客さんの「楽しみ方」。会場オープンの昼11時半になると待っていました! と言わんばかりに、ぞろぞろとスマホ片手に人々が集まり始める。そして慣れた様子でまだ手つかずの美しいビュッフェ台を写真に収めてから、食事に移っていくのだ。 「最初に写真撮影される方が多いですね。ブッフェに通い慣れている方やリピーターさまも多いので、みなさん1番映えるタイミングをよくご存じなんだなと拝見しております」と、濱川さん。また同ブッフェではスタッフが取り分けてくれる(スイーツのみ)ので、お皿に盛り付けた際のバランスや見た目も綺麗で、「うれしい」と言ってもらうことも多いそうだ。 ■「流行だけじゃない」バランスの重要性 会場内には「あまおう」を使用したいちごスイーツのほかにも、1カット1800円以上もする高級ケーキ「スーパーシリーズ」の食べ比べや、クロワッサンとソフトクリームを掛け合わせた「いちごのクロ&ソフ」などの華やかなスイーツをはじめ、昔から変わらない「サンドイッチ」や「カレー」「特製パンケーキ」など、リピーターが楽しみにしているメニューも揃う。 また今回はニューヨーク発のティーブランド「HARNEY & SONS(ハーニー&サンズ)」とコラボしており、「カヌレ」や「紅茶のスコーン」、「紅茶のなめらかプリン」など本年度ならではのメニューもスタンバイ。 濱川さんは、「どんなものが流行っているかアンテナを張るのに必死です。何がかわいいとされるのか、何が新しいのかいつも探していますね。でも『流行』だけじゃなく、このホテルが持つ格式、そして安定感や安心感は常に大事にしていきたいと思っています。今後もそのバランスを取りながら、ほかと差別化をはかっていきたい」と話しており、進化し続ける「元祖」の挑戦が垣間見えた。 「スーパースイーツビュッフェ2024~ホテルでいちご狩り~」の開催期間は、1月5日~3月31日。場所は、ティー&カクテル「SATSUKI LOUNGE」(ロビー階)。価格は大人平日6200円(土日祝は6900円)。各90分制。 取材・文・写真/高岡奈津古